ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

あの頃もっと勉強しておけばよかったっていう後悔とあの頃もっと遊んでおけばよかったっていう後悔は常に半々

2016年1月31日、天気曇り時々雨。

久しぶりにまるまる1日を任地ブンヤで過ごす日曜日。そして、今日で1月も終わり。年明けから南部旅行、新年度スタートに田植えなどなど、充実した1ヶ月だったなーと感じてます。
ブンヤにいても正直やることといったら洗濯、掃除くらい。それが終わってもまだまだ1日は長いので、まぁ歴史学習という名目でマンガ「キングダム」を読んだり、日本向けの通信を作ってみたりして過ごします。時間に余裕があるってなんか不思議で、未だに何かしなくちゃみたいに考えてしまう日本の感覚は拭いきれてません。現地の方はというと、午前中は教会に行き、午後からは外の木陰に椅子を出して座ってしゃべったりのんびりしたりしています。
昼寝もたっぷりして元気も有り余ってるそんな本日は、ナミビアの学校制度についてご紹介ます。

ナミビアの学校教育は全部で13学年(グレード)あります。下から
グレード0  プレプライマリー
グレード1〜3  ジュニアプライマリー
グレード4〜7  シニアプライマリー
グレード8〜10  ジュニアセカンダリー
グレード11,12  シニアセカンダリー
とこんな感じです。ブンヤセカンダリースクールはその全ての学年を有している、近隣では1番大きい学校です。今年は全校児童生徒は1200人を超えるのではないかという予想です。では、少しずつ各段階のご紹介をしていきます。

グレード0 プレプライマリー (Pre primary phase)
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この子たちは小学校に入る前段階の、基本的な教育を受けています。幼稚園というものもナミビアには一応ありますが、数は少ないようです。なので、ほとんどの子どもたちにとってここが学校教育のスタートする入り口となります。それにしても、とにかく小さくてかわいい子どもたち。まだ英語もしゃべれないので、現地語での授業が行われています。

グレード1〜3 ジュニアプライマリー (Junior primary phase)
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日本でいう小学校低学年になります。とにかく元気な子どもたち。音楽の授業もしっかりと行われているようで(ブンヤセカンダリースクールではこのあと段階になるとパタッと無くなります...)、明るい歌声がよくとなりの校舎から聞こえてきます。自分にも興味があるらしく、よく職員室の窓から中を覗き込んでは「コジマ!コジマ!」と呼び捨てにされてます。グレード3くらいになると、もう英語でのコミュニケーションができます。

グレード4〜7 シニアプライマリー (Senior primary phase)
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日本でいう小学校高学年にあたる子どもたちです。このシニアプライマリーから、授業が全て英語に切り替わります。これがナミビア教育最大の課題です。子どもたちは英語を「話す&聞く」はできるんですが、「読む&書く」は本当にできないんです。はじめ、この事実に直面した時は、日本人の感覚からいったら不思議で仕方ありませんでした。なぜなら、日本の英語教育(自分が受けてきた)のメインは「読む&書く」です。ひたすら英単語と英文法を暗記していたあの頃が懐かしい。でも、結局英語がしゃべれるようになったなーという感覚は無かった気がします。
ここではそれが真逆です。子どもたちは英単語と文法を組み合わせて話しているんですが、それを文字にすることが難しいんです。でも、ここからの教育は全て英語がメインです。もちろんテストも英語!テストの問題も読めない&理解できないわけです。特にそれが顕著に現れるのがグレード5の子どもたち。(昨年度まではグレード5〜7がシニアプライマリーだったので。)今年もそのグレード5の子たちに理科を指導します。いかにシンプルに伝えるかがポイントで、それが今の自分にとっては簡単ではないことです。日々試行錯誤してます。
ここまでが義務教育になります。

グレード8〜10 ジュニアセカンダリー (Junior secondary phase)
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日本でいう中学校レベルになります。ここからは義務教育ではないので、生徒たちは授業料を払うんですが、そんなに高く無かった気がします。正確に覚えてなくてスミマセン...。まぁなので、ほとんどの子がグレード7を終えると進学します。ブンヤセカンダリースクールでは日本のように小学校卒業という節目はなく、自動的にセカンダリーに移行する感じです。他の学校では卒業パーティーのようなものがあるところもあるそうです。
このジュニアセカンダリーが1つの鬼門となっています。それがグレード10です。ここまでは子どもたちは各学年各1回ずつの留年制度が認められています。ちなみに、この留年制度はグレード1から始まります。全進級科目(後日紹介します)が基準点を越えれば進級、どれか1つでも落とせば留年です。しかしこの留年も1回のみで、2回目は成績に関係なく自動的に次の学年に上がります。そして、その自動的なシステムがストップするのがグレード10です。グレード10の留年対象には、様々な条件があります。(うち1つは年齢制限で、かなり厳しい設定になっています。)つまり、このグレード10に上がるまでに生徒たちは基本的な学力をしっかりと身につけていなくては次の学年に上がることはできないわけです。その中でも大きな課題の1つがこれまた英語です。なので、現在うちの学校にもアメリカのピースコープボランティアが入り、英語教育に力を入れているところです。

グレード11,12 シニアセカンダリー (Senior primary phase)
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日本の高校レベルで、学校教育最後の段階です。生徒たちの年齢も20代が増えてきて、子どもというよりは大人という印象を受けます。そして、ここまでくるとゴールはもうただ1つ。グレード12の国家試験の合格!!これです。そして、無事に合格したあかつきには、誰もが憧れるナミビア唯一の大学ユニバーシティー オブ ナミビア、通称ユーナム(UNAM)に行けるわけなんです。ユーナムは絶対の力を持っていると言っても過言ではないかもしれません。就職に関してもユーナム卒業のレッテルは非常に強いとのことです。つまり、生徒たちにとってグレード12の合格には、自分の将来がかかっているわけです。なので、生徒たちはもちろん、教員たちの指導にも熱が入ります。...が、やはり課題は英語なんです。グレード12の試験結果は翌年の1月に発表になります。...はい、先日発表になりました。そして今年の結果はというと...昨年度グレード12在籍生徒21名、内合格者0名。さすがにこの結果を受けた時はショックというよりも現実を知らされた気分でした。生徒たち、そして教員たちも頑張ってないわけじゃないんです。それでもこの結果。同僚たちもショックを隠せない様子でした。今年こそ!その思いでスタートした今年度です。(グレード12には留年はありません。文字通り一発勝負です。)

ガーーっと書いてきましたがこんな感じです。もしかしたら多少違うかもしれませんが、そこはわかり次第随時訂正していきますのでご了承下さい。
それじゃ、グレード10や12で落ちた子はどうするの?彼らに将来はないの??と思われる方もいるかもしれません。が、ご安心ください。ちゃんと救済措置はあります。それはまた今度、機会があったらご紹介します。
教育制度も国によって全然違うことがわかってもらえむしたかね?自分はナミビアの教育制度を理解していくと、日本の教育に対する見方が少し変わってくるようになりました。今は他の国(特にイギリス)の教育制度についても今後調べていきたいななんて思っています。