ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

どんな職業の人でも仕事をする理由は相手の喜ぶ顔が見たいからだと思う

2017年1月27日、天気くもり時々雨。

 

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2015年度1次隊、小学校教育隊員としてナミビアのブンヤセカンダリースクールに派遣されてからおよそ1年半が経過しました。今日は首都にて行われた協力隊員による定例連絡協議会の中で時間を設けていただき、自分の活動のまとめを報告させていただきました。およそ1時間の「帰国報告」の内容を今日はここにも書き残しておきたいと思います。

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帰国報告をするにあたっていろいろと考えました。何を報告しようかなと。自分の実践してきたことを淡々と述べるのもありだし、考えたこと感じたことを共有するのもありだし。...だけどなーんか面白くないなと。せっかくもらった1時間。何か楽しいことをしたい。でもちゃんと自分の活動の成果を隊員のみんなに共有してもらいたいしお土産ももって帰ってほしい。...教師は授業で語れ!!こんな名言があったかなかったか。そうだ授業をしよう!!授業を見てもらえば自分が考えていること、大事にしていることはきっと伝わるはずだと信じ帰国報告前半40分は「個人研究授業」を行いました。この日のために実は1ヶ月前から授業案を練ってきました。自分がナミビアで感じた学習指導のポイントや持てる技術を組み込み、尚且つ協力隊員も「楽しむ」ことのできるテーマということで試行錯誤した結果の本時。指導案を書くまでには至りませんでしたが、自分の2年間を詰め込んだ授業を作り上げてみました。研究テーマは「わかりやすくて楽しい授業を目指して」です。

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まずはいきなりシルエットクイズ!これなーんだ??ということで1問目はみんなわかりましたが2問目からは少々難しかった様子でした。おじさんクッキーとマラソンシュガーはナミビアで生活していると必ず目にするものなのでイケるかなと思いましたがひねりを効かせ過ぎたなとちょっと反省。ですがまだここでは今日何を勉強するのかがわかりません。それでもなんとなく授業に興味をもたせるための入り口です。

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そして5問目と6問目で一気に学習内容に方向をもっていきます。謎のシルエットが登場。それまではなんとなくわかった隊員たちもこの問題になると???という感じでした。それでも2人くらいはこのシルエットの答えに気付いていたのには驚かされました。さすが!ここで「なんだ難しいよ」にしないために

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最後の7問目!このシルエットはやはり特徴的なので半分くらいの隊員たちも「あれね!」と判明していました。ナミビアの先端と呼ばれるその州のシルエット。ここで今日の授業のテーマを発表です。

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ブンヤセカンダリースクールでは理科算数の指導をしている自分ですが今回は社会でいこうと考えました。自分がナミビアで一人研究してきた指導方法はきっと教科に関係なく適応できるだろうと!また「教える」という活動は学校隊員のみならず、役場で働いている隊員やナミビアの大人相手に活動をしている隊員にも共通するところがあると考えました。なので自分の専門としてきたところをあえて離れることで理科算数の発表ではなく「教える」というプロセスの発表にチャレンジしてみました。

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まずはナミビアの全ての州の名前と場所を紹介です。まぁとにかく多くて覚えるのも大変。とりあえずまずはその名前を復唱する基礎的な方法で州の名前を覚えてもらいました。州の名前をノートに書いてハイ終了!!これがナミビアの教員の多くに見られる書くだけの学習です。ここからが今回のキモになります。

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楽しい学びを。これはナミビアで一年間学習指導をしてきた中で一番大事にしてきたことです。また楽しい学びを研究して実践する中でその有効性も感じることもできました。今回は14あるナミビアの州の複雑な名前と位置をカラダで覚えようという活動でいきました。この方法だとペンやノートが無い子どもたちでも取り組むことができるのも利点の一つです。しかも最初は恥ずかしいけれどやってみると楽しい!自分も殻を破りました。本当に一皮向けたなと自分自身が感じているところです。ということでナミビアジャーになったところでさっそく州の名前を覚えていきます。

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一番大事な心臓部、中央に位置するのがコマス州。

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ナミビアの一番北に横棒のように位置しているオハングウェナ州。

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というように自分自身がナミビアになりきった状態でカラダの位置と州の位置をジェスチャーと共に覚えていきます。州の名前はもちろん復唱!耳と目と動きでカラダに印象付けていきます。慣れてきたらジェスチャーゲーム。州の名前を聞いてそれぞれの州のジェスチャーをします。逆に自分がジェスチャーをして隊員のみんなに州の名前を答えてもらいます。そうするとはじめは難しかった州の名前もいつの間にかゲームの言葉の一つになっているんです。無機質で意味の無い言葉を覚えることほど難しいことはありません。それをいかに面白くさせるかがポイントかなと!

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そして覚えたことを使ってカードゲーム!今回の授業用に作った州カードをつかって自分の授業では恒例のカルタを実施しました。せっかく覚えた知識は使ってこそ意味があります。そして自分の知識が増えたことを存分に感じてもらえるのがこのカルタだと思っています。できる!わかる!を体験することは大きな自信につながります。

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カルタは大人も燃えます!おそらく州の名前を全て覚えている隊員はいないだろうという予想は的中しました。授業をする上で子どもたちの学習状況の実態を理解するというのもすごく大事なことの一つです。全く興味も関心も無いことをどう楽しい学びに変えていくか。こんなことを常に考えてきました。

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カルタあとの枚数チェックも楽しい瞬間です。今日は5枚取れたから明日は!という風に学習意欲の向上にもつながるかなと。純粋に楽しむ!それもまた一つ。学びって楽しいんだなぁと思ってもらえたら嬉しいものです。

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そして今日はラストにミニテスト!授業のはじめには一つも知らなかった州の名前が書けるようになっている!なんとなくだけど名前がポンポンと浮かんでくる!それこそが成長の証です。たくさん褒める。これもまた大事なこと。できる!わかる!をたくさん経験させてあげることが子どもたちの自信とヤル気を大きく育てます。そしてテストをしていると答えが書ける自分がなんだか嬉しいもの。「テスト=難しい」ではなく「テスト=成長を実感できるもの」に変換してあげられたらなと思います。

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ということでここまでが帰国報告前半、個人研究授業でした。大人相手にどこまでできるか心配でしたが、まぁ楽しかった!!そして久々の日本語での授業が新鮮でした。隊員仲間がカルタを楽しむ姿やテストに真剣に取り組む姿を見ることができたのは指導者として嬉しい限りでした。ここまで40分時間ピッタリ!帰国報告後半の内容はまた明日に持ち越したいと思います。これで今日の授業を終わります。