ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

点数や数値が全てじゃないと言いたいけれどそんな甘い考えが通用しない世界がある

2016年2月14日、天気晴れのち曇り。

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朝はいつもよりゆっくり目覚める日曜日。まぁ寝てるとそのうち窓から嫌でも太陽の光が射すんで起床せざるをえないという環境です。さぁ日曜日!9時になると村のみなさんは教会へ行きますが、自分はそっから活動開始です。まずは溜まった1週間分の洗濯から。月から金まで選択するヒマがないのでここで一気にやるしかないんですね。洗濯機があったらタイマーセットして起きたら干すだけ...なんてことができるんですが、それは夢のまた夢。そして、本日は手洗い2回転!さすがに少し疲れましたが、全て洗い終えた後の達成感。まぁそれにしてもよく乾きます。

写真のデータを整理したり、グレード5のトピックテストのマルつけしたり(初回にしてはなかなかの結果でした)と、なんだかんだ休む間もなく時間が過ぎていく日曜日。まぁヒマで困るっていうのがないのは幸せなことなのかなーと。で、ただいま少し落ち着いたのでブログを書いてるところです。

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本日はまた学校の仕組み的なところを書きたいなと思います。上の写真は、先日職員全体に配られたBunya SSS Year Plan 2016、いわゆる学校年間活動計画というものです。ちなみにSSSはSenior Secondary Schoolの略です。全13枚綴りの年間活動計画。この計画をもとに1年間学校がすすんでいくという、いわば教育活動の指針となる非常に重要なものです。日本のものからしたらまぁ薄いなというイメージはありますが、まぁある意味簡潔シンプルにまとめてある感じです。

まずは年間行事予定。ナミビアは三学期制なので、それぞれ一学期ごとにいつ、何をするかが書かれています。放課後学習スタート、保護者面談、成績一覧チェックなど、業務的な内容のみが一学期ごとに約10項目ぐらい。残念ながら遠足、校外学習といった行事はありません。で、さっそく先週08-12.02.2016にはClass Visitsという活動が書かれていたんですが、特に何もありませんでしたね。まぁつまり臨機応変な年間活動計画のようです。

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で、その次に書かれているのがグレード10と12の生徒のweekly afternoon extra classes(放課後授業)とSaturday classes(土曜授業)の予定表です。以前も書きましたが、ナミビアではこのグレード10と12が教育活動の大きな節目となっています。この2学年のテストのみが全国共通の試験となっていて、その成績、生徒たちの合否の結果はそのまま学校の評価につながるわけです。先日もスクールボート(保護者代表)のみなさんが、グレード10と12の生徒たちだけを集めて、今年1年の重要性などを3時間以上にわたって話している場面がありました。保護者も重きを置くグレード10と12の教育。そのため、教員側にも何かしらの取り組みが求められているわけです。それがこの放課後授業と土曜授業です。毎日3時から5時までの放課後学習(自習)は全学年共通ですが、グレード10と12のみ、教師が入り補習授業を行っているんです。そして、休みの土曜日も午前中4時間授業。ハードですよね。ですが、それでも足りないくらいなのかもしれません。なぜか?

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この年間活動計画の最後に記されているのはTARGET 2016、各学年の生徒たちの合格目標達成率です。生徒たちの合否、進級できるかできないかは進級科目の成績が関係します。1つでも落とすと不合格。(ちなみにグレード4〜7の進級科目は6教科、詳しくは後日。)つまり、年度最後の試験で全教科が基準点を超え、進級できる生徒の目標率が学年ごとに書かれているわけです。ちなみに見ていただけると(OBTAINED 2015が昨年度の結果です)わかりますが、グレードが上がるごとに極端に合格率が下がります。昨年のグレード11は合格率3%、実にクラス33人中合格したのは1名のみです。そして以前も書きましたがグレード12は合格率0%でした。

厳しい状況ですが、前を向かなくてはいけないんです。なので、このように目標を数値で示し、教員たちがそれに向かって一人一人日々の授業で結果を残していくことが求められているわけです。ちなみに、このままだと「ブンヤセカンダリースクールが極端に成績の悪い学校なの?」という印象をもたれるかと思うので、しっかり弁明したいと思います。昨年の本校のグレード10の合格率は52%でした。まぁよくはないのは事実ですね。それに対して、全国平均はどうだったかというと54%...まぁ何が言いたいかというと、これがナミビアの現実だということです。まぁ良くも悪くもほぼ平均にいるブンヤセカンダリースクールです。
そして最後に、この全国平均が示しているのはつまり、全国のグレード10の生徒のうち約半数はそこで教育の道が途絶えてしまうということなんです。厳しい現実です。今、自分の受け持っているグレード6の子たちも最短で行けば4年後にはこの試練を迎えるわけです。彼らが4年後笑顔でいられるためには、自分の今現在の指導も大切なわけです。ということで来週も頑張らなくては!と気合を入れてみました。