ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

【第5回】小島ナミビア史 〜出席番号1番は憧れのブランド〜

2017年1月5日、天気晴れ。

 

前回までのおさらいをサラッと。移民の国ナミビアにおいて新しい人々がやってくることはそれぞれの集団に少なからずの影響を与え与えられることにつながりました。前回までの経過は

①サン民族→ 狩猟採取を貫いて除け者に
②ナマ族&⑤ヘレロ族→ ナミビア中央部の兄貴分に
③ダマラ民族→ ひっそりと暮らしナマ族の弟分に
④オバンボ族&⑥カバンゴ族&⑦カプリビアンズ→ ナミビア北部でのんびり

という状況でした。北からの移住民族が元々ナミビアに住んでいた原住民たちの生活を変えていったというのが前回までのお話。

 

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その後ナミビアに1800年代にやって来たのが南からの移住民族たちである3期メンバーの⑧オーラム族と⑨バスター民族です。この2つの種族のポイントは「南アフリカ出身」であること。当時の南アフリカはすでにイギリス、当時の大英帝国の植民地であったために洋風の習慣や文化が広まっていました。洋服の着用、乗用としての馬の飼育、銃の使用などなど当時のナミビアに住んでいた他の民族には見られない生活様式を身につけていた彼ら。南アフリカから逃げ延びてきた彼らが最初に求めたのは彼らの所有できる土地だったわけですが、当時のナミビア先住民たちには土地を所有するという概念もありませんでした。これをもたらしたのも彼ら3期メンバー。

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ナミビアに最初に定住をした狩猟採集の1期メンバー。続いて北からやってきた農耕牧畜の2期メンバー。そして最後に南からやってきた洋風文化の3期メンバー。こうしてナミビア主要民族が出揃ったわけですが、ここで問題が発生します。ナミビアの国土は日本のおよそ2倍!ということはみんなで仲良く暮らすことができるはずなんですが、そうはいかない理由がありました。ナミビアは別名ドライカントリー。国土の一部を砂漠地帯が占めるなど、人々が生活を営む上で必要な水や牧草が十分に手に入れられるのは限られた場所のみなわけです。ということでどうなったか。土地の奪い合いが必然的に起こりました。

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この奪い合いで頭角を現したのが3期メンバーの一角であるオーラム族でした。だって銃を持ってるわ、イギリス仕込みの近代的な戦術を知ってるわでまぁナミビアでは敵なし状態だったわです。これに他の1期&2期メンバーたちが敵うわけがない。3期メンバーのもう一角であるバスター民族はどうしてたの?と思われるかもしれませんが、前回紹介したように彼らバスター民族の目的はナミビアの地で自分たちが安心して住める土地を獲得することのみでした。よってつまらない争いには参加せずとにかく触らぬ神に祟りなし状態のバスター民族は鳴りを潜めていたわけです。ここからはオーラム族な独壇場。

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オーラム族の中でも最も有力であったアフリカーナーズ一族のキャプテンだったのがジョンカー・アフリカーナーズさんでした。彼は自分たちの威厳を他に見せつけることで戦わずして平和的に他を自分たちの仲間とし、ナミビアで初めて同盟という体系を築き上げました。ちなみにこの頃、以前はあんなに仲が良かったナマ族とヘレロ族は喧嘩状態。原因はやはり土地でした。そんな彼らの仲をなんとか取り持ったのもジョンカー・アフリカーナーズ。ナミビアの歴史上で一番最初に名前が出てくる彼です。

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まぁ同盟と言いつつもトップはジョンカー・アフリカーナーズだったのでまぁそりゃ文句の一つや二つは出るわけですが、彼の存命中はまぁなんとかごまかしごまかしでうまく切り抜けてきたわけです。同盟と言えどそこには上下関係や貧富の差(当時はウシ=お金だったのでウシを多く所有しているか)が発生し、これがナミビアに身分の差をもたらしたのでした。ちなみに全く話に出てこないナミビア北部でのんびりしていた方々は未だにのんびり!ナミビア中央部と南部で起こっていたこのジョンカー・アフリカーナーズを中心とした社会の変動には一切首を出さず北で自分たちの生活を続けていました。

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そしてこのままジョンカー・アフリカーナーズ率いる一族の天下が続くかと思われましたが、やはりどの世界も二代目には父親の才能が引き継がれないようです。その後ジョンカー・アフリカーナーズが亡くなり息子が地位を継ぐとたちまち内部分裂が起き同盟は破綻。そしてこれを待っていたかのようにやって来たのがナミビアの地に目をつけたドイツでした。いよいよ次回からはナミビア植民地時代に突入していきます。

 

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久々の歴史シリーズ。やはり執筆に時間がかかりますがこれも帰国までに完結させねばなと!さぁそんな本日はオーラム族の中でもフレデリックス一族とボーイズ一族が定住をした地であるベタニイという村にやってきました。この村にはナミビアで最初に建てられた一つとして有名な教会があったり、その教会建設に携わった宣教師の石造りの家があったりと歴史を感じる村でした。コーヒーショップもあってビックリ!そしてアイスコーヒーを頼んだら温かいコーヒーと氷が別々で出てきてさらにビックリ!!今日は朝から車を4時間待ちするなどこの村に行って帰ってでまるまる一日を使ってしまいましたが、それだけの価値がある場所でした。最後には虹も見えたしラッキー!明日も...ハードな一日になりそうです。