ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

本当に大切なものは目に見えないことが多い

2016年7月22日、天気晴れ。

 

 月に一度の家族と過ごす週末、ホームウィークエンド!ということで今日の授業は4時間目まで。7時から授業が開始して9時40分にはさよならというあっという間の1日です。同僚のほとんどは今日は授業をしない日としていますが、自分はやります。子どもたちはわざわざ学校に来ている!というのもありますし、授業が遅れているという都合もあります。

 

グレード5は二学期最後の単元の学習がはじまりました。テーマはAir(空気)です。自分はこの単元が一年間の指導内容の中で一番難しいと認識しています。これまで植物、動物、水、日光、土と学習してきましたが、どれも視覚的に捉えやすく子どもたちも身近に感じているものでした。が、空気は見えない!触れない!正直非常に重要でなくてはならない存在の空気ですが、それを日々感じて過ごしている子どもはそういません。

 

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そしてこの単元で最初に教えるのが空気の組成です。空気を構成する主な気体が酸素、二酸化炭素、窒素であることを理解します。が、それを証明する手立てがありません。日本だったら気体検知管の登場ですが、ナミビアにはそんなものは存在しません。指導要領を見ても検知管で調べてなどの文言は一切出てきません。つまり最初から知識として教え込むと決められた項目なわけです。ゴミ袋を使って空気を集めて「この中には3種類の気体が含まれている!」と伝えても、ハッキリ言って「???」となるのが素直な反応だとも思います。しかしなんとか頑張って熱弁。手応えがない授業というのは心が折れそうになりますがなんとか最終ラウンドまで頑張りました。さらに!過去の試験問題をチェックした際にこの空気組成を円グラフで示しているものがありました。円グラフの学習はグレード6なんですがこれについても子どもたちに説明。...果たして何人が理解できたか。

 

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それでも子どもたちは楽しそうに円グラフをノートにかき写していました。意味はわかってなくてもこれはこれで意味がある気もします。なんとかこの単元を少しでも楽しくしたいなと考えているところです。二学期最後の2週間、最後まで休むヒマはなさそうです。

 

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それにしても今日は不思議な日でした。学校がおわってから立て続けに子どもたちが自分のところへ、みんなそれぞれに頼み事をもってやってきました。

一人目「シュガーコーンをもらってきてほしい」

グレード12の生徒が、来週月曜が締め切りのサイエンスフェア(日本でいうところの科学作品展的なもの)の出展作品を今から作るので、その実験に必要な材料を調達してほしいとのことでした。シュガーコーンというのはさとうきびのようなものです。砂糖の抽出実験をするようです。で、そのシュガーコーンが自分の住んでいる教会の敷地内にあるので、寮父さんに交渉してほしいという依頼でした。じゃあ一緒に行こう!

二人目「ケータイを貸してほしい」

グレード6の自分が受け持っている生徒からでした。生意気な、それでも憎めないいいやつです。家に帰りたいけれどおうちの人が迎えに来ないということで電話したいとのこと。もちろん二つ返事でOK!

三人目「科学作品展に向けての実験を手伝ってほしい」

こちらも一人目と同様。彼はソーラークッカーを作りたいということでした。材料はあるから一緒に作ってほしいという依頼。一人目の彼とのアポがあったので、それが終わったら学校に来ることを約束しました。もう一度確認しますと、作品締め切りは3日後の月曜日です。今日から始めるようです。

四組目「お金を貸してほしい」

男子3人組が家に帰る自分を理科室前で待っていたようです。家に帰りたいけれどお金がないから帰れないとのこと。自分が貸さなかったらどうするの?と聞くと、ものすごい困るという明快な返事が返ってきました。彼らをこのままにもしておけないのでもっと事前に知らせなさい!と一喝してから50ドルを握らせました。返ってくるかはわかりません。

五組目「動物の毛皮のカーペットを買ってほしい」

これで最後です。男子5人組が帰り道の途中に声をかけてきまして、自分に売りたいものがあるんだ!と言い寄ってきました。試しに見てみるとクドゥーという動物の毛皮のカーペットでした。んー、いらなくはないけれど欲しくもないかなぁと。値段は200ドルのところを150ドルにしてくれるそうです。んー、と迷ったフリはしといてまた後日返事をするよと言ってサヨナラをしました。

 

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まぁ引っ張り凧だったわけですが、一人目の彼はそのあと家で待っていても来ず。三人目の彼が学校にやってきたのは夕方4時半頃。もう一度念のために書いておきますが、締め切りは来週月曜日です。まぁこんなもんだよなと思いながら金曜の午後をパワーポイントの作成などをして有意義に過ごしました。