ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

「みんなで仲良く等分しよう」という最も平和な計算が四則計算の中で最も難しいというのがなんともシュール

2016年5月31日、天気晴れ。

起きるには起きたんですという言い訳から始まる本日。久々に怖いくらいのリアルな夢を見てしまい、なんとも後味の悪い感じで目覚めたわけですが、足に若干の痛みが。昨日はほんの少ししか走っていないはずなんですが、ここで無理をしては長続きしないということで今朝のランニングは自粛!何事も長く続けるためには無理は禁物です。

昨日の校長の決定により一部の生徒たちは自宅謹慎ということで今日はどの教室に入ってもどことなーく落ち着かない雰囲気が漂っていました。全員揃っていないので授業をすすめるわけにもいかないということで今日は1学期末試験の復習を実施。グレード5は理科、グレード6は算数の問題の答えを確認していきましたが、思ってた以上に子どもたちが1学期の学習内容を覚えているようなので(錯覚かもしれませんが)少し安心しました。

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そして、グレード6Bは本日2時間連続授業ということで時間が余ってしまいました。そこで、子どもたちの実態を調査するためにわり算の課題を与えることに。
グレード6の子どもたちの二学期の目標はわり算の計算ができるようになることと設定をしました。自分の中でわり算が課題であると想定していたんですが、子どもたちの現状の実態を理解していなかったので実際に問題を解かせてみることにしました。すると、なかなか面白い子どもたちの様子をうかがうことができました。

まず「8÷2」は半分くらいの子どもたちは特に問題なく答えを書くことができていました。少し安心。ならば「72÷8」もかけ算の発想の逆転で答えが出るかなと思っていたらそうではないようでした。驚いたことに子どもたちは誰1人として九九表を使って答えを出すという考え方をもっていませんでした。

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ではどうやって計算をするのか。その答えは単純で誰もが一度はやったことがある「数える」という方法でした。先頭にかかれたマルにヒゲが生えたような記号は人を表しているそうです。形は違えどこの人の記号を最初に描き、その後「人に1つずつ数を分配していく」という等分除の考え方が子どもたちの中では主流の計算方法のようでした。グレード6でわり算を数えて計算するのか?そこで気になったのが、いったい去年はどんなわり算の指導を受けていたのかということです。

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筆算で計算しようとする子どもの姿は皆無でした。別の紙を出してそこにマルをひたすら描いて数える子か、頭の中で想像力を働かせて答えを導き出す子、諦める子の3通りしかいません。どうしたものかと思い、前学年のグレード5の算数の学習指導要領(シラバス)を確認してみることにしました。

Learners should be able to divide three- and four- digit numbers by a number from 1 to 10 with or without reminder using any formal or informal paper and pencil method.

3桁と4桁の数を1から10までの数でわることができる。(あまりがある場合、ない場合の両方)
ここまではわかりやすいですし、納得の内容です。が、問題は最後の部分です。

「紙と鉛筆の法則」!?

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ここでわかったことは、子どもたちは全くもって間違ったことをしていないということでした。自分の偏見だったことを少し反省したところです。ナミビアの学習指導要領が「紙と鉛筆の法則」でわり算の計算をしなさいと提言していたんです。しかもどんな紙でもいいとまで言っていたんです。当然のように新聞紙を取り出して計算をしていたこの子のやり方も正しかったわけです。ちゃんと子どもたちの実態を理解すること、教科の指導系統を把握することの重要性を改めて痛感しました。

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ですが、この方法がこの先通用しないということも子どもたちは理解しているようでした。3桁のわり算でさえ「紙と鉛筆の法則」で答えを求めるには厳しいところがあるということを一番感じていたのは誰よりも問題を解いている本人たちでした。

ということでグレード6のわり算指導からついに筆算(long division)がいきなり登場するわけです。すんなりと子どもたちが方法を理解できるとはこれっぽっちも思っていませんが、今日の子どもたちのわり算の問題に取り組む姿勢を見ていて少しだけ安心した自分がいます。子どもたち、やる気は十二分!!今から筆算がしたくて仕方がない様子の子どもたちでした。これが何より指導者として嬉しいことです。明日から始まるわり算特訓が楽しみになってきたところです。

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今日は放課後は学期はじめ恒例のスタッフミーティングでした。やる時はやる!ということで昼休憩も取らずに夕方4時近くまでぶっ通しで続いた会議。そこでとんでもない内容が飛び込んできました。

来週の月曜日からタイムスケジュール(時間割)が新しくなります。

おい。おいおいおい。あまりに長く退屈な会議だったんですが、急にカミナリに打たれましたよ。タイムスケジュールが変わる!?ということはです。今学期もまた一学期の最初の頃のように授業をするための空いてる教室を探すところから始まるということですか!?...ありえない。やっと慣れてきたというところでまた一からやり直しです。

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まぁ深く考えても仕方ないことなのでもうやるしかないです。子どもたちにうまく説明しないとなと。それにしても長い会議でした。お昼もちゃんと食べていなかったのでお腹はペコペコ。そしてそんな所に最高のタイミングで子どもたちが道端に出しているお店を帰り道の途中に発見!ファットケーキという揚げドーナツを買っていただきました。各家庭によって若干味や食感が違うのが面白いファットケーキ。今日のはしっとり食べ応えのある感じで空きっ腹にとっても美味しかったです。

5月が今日で終わるということが未だに信じられない自分がいます。とにかく長く長かった5月。いろいろあった5月でした。当たり前ですが明日から6月。前に進んでいこうと思います。