ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

心のまま僕はゆくのさ 誰も知ることのない明日へ

2016年5月23日、天気快晴。

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寝袋なら半袖半パンでもなんとかなるかと思っていましたがさすがに朝方は寒いなという感じで目が覚めたブランドバーグ登山2日目。昨日は日が落ちた後にキャンプサイトに到着したので見えなかった絶景が朝から目の前に広がりました。東から昇った朝日が地平線をぼんやりと赤く照らし出す雄大な景色を見ながらの温かいコーヒーは格別。今日はここからいよいよ頂上を目指して登山を再開します。

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テントを畳んでまずは今日の宿泊ポイントを目指しました。今回の登山コース上で唯一の水が確保できる場所です。

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ため池のような感じでウォーターポイントがあるんですが、ガイド曰く日本人にはあまりオススメはできない水だそうです。2年前から溜まり続けている水だそうで、少し飲んでみると土っぽい味がしました。今回の登山では1人平均およそ6Lの水を持ってきましたが、なんだかんだで水の消費が激しく足りなくなったので、このため池の水に殺菌の薬を入れ、浄水器でろ過をして使用をしました。その後お腹を壊すこともないので、ブランドバーグ登山ではこの方法はありです。

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テントサイトに大きな荷物を置き、身軽な状態になって午前9時半、本日のピークアタックがスタートしました。相変わらずの岩でできた斜面を登っていきますが、荷物が無い分昨日よりも足取りは軽いです。

ブランドバーグ山は、おおよそ南緯21度08分57秒、東経14度34分39秒付近に位置する。この場所はナミビアのエロンゴ州に属している。ブランドバーグ山の山頂は、ドイツ語で「王の石」を意味する語である「Konigstein」と呼ばれていて、ここの標高が約2606mあり、この地点がナミビア国内においては最も標高の高い場所である。さて、この山は約650㎢の面積を持つ大きな山体である上に、この山の周囲に広がっているナミブ砂漠は平坦な地形なので、よく晴れていれば遠い場所からでもこの山を見ることができる。なお、この山は固有種も見られるなど、独特な生態系を有している。ちなみに、現在この山から最も近いヒトの居住地はウイスであり、そこはこの山から約30kmの距離にあるわけだが、この山にヒトが分け入ったことが無いわけではなく、山中にある谷に存在する洞窟には、古代の壁画が残されている場所も見られる。
(Wikipediaより)

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王の石を目指す道のりは長いです。しかし昨日よりも急な斜面はなく、比較的登りやすい岩場が続きました。そしてだいぶ登ってくると開けた平らな草原が広がりました。周りは山に囲まれた谷のような大地に乾燥地帯ならではの植物が根ざしていました。これまた不思議で幻想的な光景。まるでラスボスが待つ城へ向かう最終ステージのようでした。

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そしてついに見えた山頂!目指すものが視界に入ってくると一気に力が漲ります。が、それにしても最後の最後にとんでもない登りの岩場。これを乗り越えればナミビアの最高地点!これを乗り越えればあとは下るだけ!と自分に言い聞かせて気力で一歩一歩歩をすすめます。

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そしてピークアタック開始から4時間、ついにブランドバーグ登頂に成功しました!眼下に広がるナミビアの広々とした大地。見渡す限りの地平線。今日も昨日に引き続き雲一つない晴天のため、これ以上ない絶景が自分たちを迎えてくれました。登山が与えてくれる達成感。ナミビア最高峰の頂に今自分は立っているという事実がただ素直に嬉しかったです。

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登った後には下りがある。人生と同じですね。だからヒトは山に登るのかもしれません。自分の弱さや煩悩とひたすら向き合う中で、今自分は何をすべきなのか、何がしたいのか、何を目指すのかなどなどいろんなことが頭を駆け巡ります。1年9ヶ月という協力隊員としての任期も残り10ヶ月を切った今、本当にいろんなことを考える自分がいます。

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登頂達成の満足感に浸りながら辿ってきた道のりを戻る歩みには、過去を振り返るような感覚があります。この時間が好きです。日も沈みかけてくるとさらに深く深く過去に浸かり、自分の人生が頭の中にフラッシュバックしてきます。そんなこんなでしんみりとした雰囲気に浸っているといつの間にかキャンプサイトに戻ってきました。下山はおよそ3時間でした。

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今日もテントを張り寝床を作ります。そして夕飯のインスタントラーメンを作りながら、ふと上を見上げた時でした。昨日よりも何倍もキレイな満天の星空が!!今日のポイントは少し谷になっていて月が隠れていたので、無数の星々がこれでもかというくらいに輝いていました。足にはかなりの疲労がありますが、ここまで登ってきてよかったと思えた瞬間でした。