ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

聞くは一時の恥 って言うけれど恥ずかしいことなんかじゃ決してない

2017年1月9日、天気晴れ。

 

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今日からナミビアの公立学校は新年度がスタートしました。休業中に出勤日や日直制度が無いナミビアは本当に今日から真っ白な状態で一年が始まります。まずは子どもたちの転入の受け付けから。今日から15日間が手続きの期間になります。そのあとはクラス編成、教科担任決定、時間割決定と順々に新年度の体制が組み上がってくるわけですが、これが完成するまでには3週間はかかります。つまり1月は準備を整える一ヶ月。去年は「授業はまだですか 監督!!」「安西先生…!!授業がしたいです......」という感じでウズウズしていましたが今年はもう焦りのあの字すら出ません。ナミビアの学校の一年間を経験したことはものすごくデカイ。通常7時出勤のはずが8時に出勤して9時から始まるスタッフミーティングに何の違和感もなく参加している自分の落ち着きように驚かされたところです。久々の同僚との再会もいるのが当たり前のように接してくれることが嬉しいかぎりでした。

 

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さぁそんな寛容で柔軟になった二年目の自分ですが、その全てを吹き飛ばす出来事から今年度はスタートしました。自分の受け持っていた算数と理科の成績のみを出して早々とホリデーに入った自分は子どもたちの総合成績を見ずに昨年を終えていました。なので今日は朝から彼らの成績のことが一番の関心どころでした。算数理科だけで言えばカウンターパートのゲンダさんが提示していた半分以上の進級点到達の課題をなんとかクリアできていたのであとは他の教科の成績がどうだったのかというのがずっと気になっていたところ。スタッフミーティング後に急いで自分が受け持っていたグレード5とグレード6の子たちの成績一覧を見せてもらいました。...もう衝撃すぎて意味がわからなさすぎて言葉が出ませんでしたね。は??何だこれは??...このUというのがいわゆる赤点で留年になります。見やすいように成績一覧のU評価には一つ一つマル◯をすることになっているんですが...おい、社会(Social studies)!!何があったんだよ!!?この結果はいくら今の自分でも受け入れることができません。ちなみにグレード5も同様。5Bに至ってはなんと全員赤点というとんでもない結果で自分の目を疑いました。...あんなに理科の学習を頑張った子どもたちの姿を知っているのでものすごく悔しくて仕方ないです。

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もちろんゲンダさんにもこのやり切れない思いを伝えました。そしてさすがはゲンダさん。この事実をちゃんと理解しているしもうすでに校長や地区の教育担当の方にも話をしているそうです。自分の思いも理解してくれる素晴らしいカウンターパートの存在にまた救われました。そして彼は現状をちゃんと把握した上でその先を考えています。こういうレベルに自分もならないとなと己の未熟さをまた再度認識するのでした。

 

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そしてナミビアの教育制度について自分の理解が足りていなかったところも彼に補足してもらいました。ナミビアの進級システムについての新たな情報をまとめると、まず進級条件は

①主要6教科の成績が全てE(40点)以上

か、もしくは

②1教科のみU、その他5教科E以上(ただし英語と算数はE以上必須)

の2パターンになります。この②についての理解ができていなかった自分は「社会が赤点だから全員留年だ...」と落ち込んでいましたが、社会のみ赤点の子どもたちは進級ということになるんです!少しだけ救われた気分になりました。それでもまぁ納得はできませんがね。そして同時に自分が受け持っていた算数の責任の重みも感じました。中には算数だけが赤点で留年という子が。...自分の力不足を痛感です。

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以上が進級条件。この2つのいずれかを満たしていない場合はつまり留年ということになります。が、留年にも特例があるんです。

①Repeating→同じ学年を2度留年することはできない。2年目は進級条件に達していない場合でも次の学年に進級する。

これが一つ目。まぁ比較的わかりやすい措置です。そして二つ目がちょっとややこしい。

②Overage→...うまく言葉にまとめられないのでダラダラ説明に切り替えます。シニアプライマリー(グレード4から6)を例にして説明します。ある子どもがグレード4に進級しました。その時年齢は9歳。その後順調に進級を繰り返していくとグレード5で10歳、グレード6で11歳と上がっていくわけです。これがまぁ基本。しかし例えばこの子どもがグレード4の時に留年を経験するとします。そうすると次の年この子はグレード4に10歳で在籍します。で、その年の成績はどうであろうと先に挙げた特例の①Repeatingが発動するのでこの子は次の年は必ずグレード5です。その時年齢は11歳。順調に進級していたら10歳だったところをこの子は11歳でグレード5を迎えます。そしてもしこの子がその年また進級条件を達成できなかった場合、特例①が適応されるかと思いきやされません!そこで特例①よりも効力を発揮するかのが特例②のOverageです。すでに一度留年を経験したことによって10歳で迎えるはずだった学年を11歳で迎えた場合、進級条件に達していない場合でも次の学年に進級する。これが特例②になります。つまり留年は各教育段階(ジュニアプライマリー、シニアプライマリー、ジュニアセカンダリー)で一回ずつしか経験しないということなんです。なんだ、じゃあいいじゃんと思えばそれまでですが、これでいいのか?と思う自分も。みんながみんな進級できるという日本の教育制度はもちろんいいと思いますが、この一年間でナミビアの留年制度がある教育に対する考え方も変わりました。「留年=悪いこと」ではないなと。それについては長くなってしまったのでまた。

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今日は久々に10km走ったりナミビアだよりを作ったりとかなり充実した一日でした。新年度始まって早々書きたいことがありすぎて困るという状況に感謝です!ナミビア生活ラスト70日切りました〜。