ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

本物のカッコよさは内側からにじみ出るもの

2016年9月2日、天気晴れ。

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2日前、子どもたちが三学期初登校をしてきたその朝にこの紙が学校中に貼り出されました。また何かあるのかなと思いながら読んでみるとそこには
ENTREPRENEURSHIP DAY
の文字が。文面を読んでみるとなんだか楽しそうなイベントのよう!しかも日時は2日後の今日!ということで期待に胸を膨らませて迎えた本日金曜日でした。

朝のスタッフミーティングでも今日のイベントについてのお話がありました。開始は10時から!グレード8から10の生徒たちはいろいろ準備をしますが、それ以外の学年はそれまでは通常授業です!と校長からお話が。よし、授業ができると思っていたわけですが、もう8時過ぎの時点で封切りされたようでした。まぁ予想はできていましたがね。ということで今日は授業は無し!エンタープレナーシップデイの始まりです!!

 

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 朝一から校庭、とくに理科室のすぐそばでさっそく準備が始まっていました。電源が取れる場所が理科室くらいなので来客がしきりに。そしてすぐさま流れるアフリカンミュージック!デッカいスピーカーから授業妨害お構い無しのサウンドが!まぁ授業はどのクラスもしてないので問題無し。ナミビアの人々にとってお祭りごとと音楽は切っても切り離せません。そこに加わるマイクパホーマンス!客寄せがスタートしました。

 

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ナミビアの学校教育において、ジュニアセカンダリー(グレード8から10)の進級科目として設定されているのがEntrepreneurship(日本語訳すると「起業家としての活動」)という科目です。この科目ではお金の稼ぎ方や起業の方法、お店経営のノウハウについて学習します。自分たちで仕事を作り出し生計を立てるために必要な知識と技能を身につける非常に重要な学習です。日本でもぜひ取り入れたい学びの一つだと感じます。自分もこういう授業を受けたかった!将来の選択肢や視野が広がる有意義な学習だと考えます。そして、このエンタープレナーシップの学習の実践の場として設けられているのがこのエンタープレナーシップデイです。学習指導要領にもその実施が義務付けられているようで、生徒たちにとっては一種のテストのようなものにあたります。

 

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 お金を稼ぐということでまず思いつくのはものを販売するということ。その中でも食品の販売がやはり主流になります。彼女たちはイモを向いてそれをフライにしたりマッシュポテトのようなものを作ったりしていました。

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彼女はナミビアンのソウルフード「ファットケーキ」を作っていました。小麦粉を練ったものを油で揚げるドーナツのようなものです。自身ファットケーキの調理を見るのはこれが初めて!今度作り方を一から教わりたいなと思ったところです。

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男の子たちは肉を焼いていました。彼らはグレード6や7の生徒たちなのでお手伝いのようです。が、やはり楽しそうなこのイベント。参加せずにはいられなかったようです。それにしても肉を調理する真剣な眼差しや器用にナイフでトマトや玉ねぎを刻む姿はカッコいいの一言!自分が子どもの頃は家庭科の調理実習の最後に包丁を洗うのが怖くて同じグループの女の子に「洗って〜!」とお願いする情けなさすぎるヤツだったなと。それに比べてこの彼らの頼れる感じ。頭が下がります。

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 またこのギャップがいい!

薪さえあればどこでだって火を起こし調理をしてしまうナミビアの子どもたち。日本みたいに火起しができない子どもたちに「先生〜!」なんて呼ばれるなんてことは全くありません。彼らにとって火起こし、調理は日常茶飯事。その生活力の高さを思い知らされました。

 

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もちろんこれは学習です。ものを売って収入を得るということはお金の勘定もしっかりしないといけないということです。算数の学習ともリンクします。二学期最後にグレード6で指導したお金の学習はなかなかうまくいかなかったのが正直なところですが、こうして経験を積み重ねることで支出や収入という言葉の意味を理解していくのかなと思いました。

 

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ものを売るだけが収入を得る方法ではありません。こちらの彼は散髪のサービスを提供することでお金を稼いでいました。ナミビアでは街のいたるところに床屋(バーバー)があります。坊主頭の中にもこだわりがあるようで、バーバーは身だしなみにこだわるナミビア男子にとって非常に身近なものです。今日はN$7でカットをしていました。ただカットするだけではなくちゃんとクリームなども使って仕上げる職人技が光りました。彼もまたカッコいい!

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こちらの彼は靴磨きのサービスをN$2で実施していました。その仕事ぶりはN$2以上払ってもいいくらいの丁寧な作業!ブラシとクリームさえあればどこでもできるこの仕事を選ぶところはなかなか頭がいいなと感心しました。

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そして彼が磨き上げてくれたのは他でもない自分の革靴でした。どうせ磨いてもすぐ砂まみれになるからといって日頃全く手入れをしていない革靴がピカピカに!足元がキレイになると気分も明るくなるから不思議です。お金以上のものを彼からいただきました。ありがとう!

 

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 エンタープレナーシップデイは学習の一環ではありますが、要は子どもたちによる文化祭!小さな子たちも小銭を手に買い物を楽しんでいました。

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 試験が間近に迫ったグレード12の生徒たちも今日だけはエンジョイモード!来週からがんばれ!!(それにしても一つの学校でこの年齢差。もう慣れてしまいましたがよくよく考えると面白いですね。)

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先生たちだって今日はお客さん!頑張る子どもたちのためなら奮発しちゃいます。まぁどの同僚もみんなよく食べていました 。

 

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そしてエンタープレナーシップデイが盛り上がってくると一画に人だかりの輪ができました。みんなのお目当は

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音楽に合わせて歌ったり踊ったりする彼ら。この物怖じしない彼らのスタイルもまたカッコよし。何をやってもサマになるのがナミビアン!普段は学校行事も無く勉強勉強ばかりのブンヤセカンダリースクールですが、今日ばかりは彼ら生徒たちが主役の1日でした。

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