ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

せっかく新しい言葉や知識を覚えてもそれを使おうとしなければ宝の持ち腐れ

2016年6月10日、天気晴れ。
 
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昨夜からブンヤの家に先輩隊員が遊びに来てくれています。ルンドゥの街でICTの講師として活動をしている自分のちょうど1年上の先輩です。自分がナミビアに来て首都で最初に出会った先輩。ナミビアのことなんてこれっぽっちもわかってなかったあの頃。自分がブンヤの村に赴任してきたときも実はこの先輩が一緒についてきてくれました。あの頃からもうすぐ1年が経つんだなと思うと感慨深いです。先輩は間も無く2年の任期を終えて日本に帰ります。そしてその最後にブンヤに来てくれました。とても嬉しくありがたい気持ちでいっぱいです。
 
今日は金曜日ということでスタッフミーティングでスタート。ちゃんと金曜日には職員もほとんど(みんなと言えないのが残念ですが)集まるのでこの月金のみのシステムでこれからも十分やっていけるのかもなと感じました。ただ、やはり水面下でいろいろと動いていることもあるようで今日は校長から
 
「本日10時からペアレンツミーティングがあります。」
 
という決定事項を伝えられました。ほぅ!と少々驚きはしたものの、まぁ自分が参加するものではないのでいつも通り授業に専念します。
 
今日は先輩隊員が学校にも足を運んでくれました。ということで朝から子どもたちはザワザワ!これは個人的には嬉しいことでした。自分が初めてこの学校に来た時は怖いほどシーーーンとしていたあの子たちが今では日本人に興味をもってくれているわけです。中には「こんにちわ」と自分から挨拶をしてくる生徒もいて、この変化は嬉しいと同時に驚きでもあります。自分がこの学校に来たことによって彼らの世界が少し広がったのかもなと。
 
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授業はじめの挨拶はいつもの5割り増しに元気が良くて思わずその気迫に押されました。日本だと外部講師や他校の先生が授業を見に来るとたいていの子どもは警戒する傾向があるかと思いますが、そんなことはこれっぽっちもないブンヤの子どもたち。興味津々で先輩隊員のことを見ている子、写真を撮ってほしくて仕方ない子などなど、まぁ見ていて微笑ましいかぎりでした。(もう一度伝えておくと、自分が来た時は警戒心しかありませんでした。今、この学校に赴任したらさぞ歓迎されるんだろうなと思います。)
 
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グレード5の日時計作成は今日で3日目。子どもたちも作業に慣れてきたようで順調に線が描き加えられている様子が伺えます。
 
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今回のこの活動をする上で一番の心配は「ワークシートを子どもたちがちゃんと保管できるか?」という点でした。解決方法は1つ、毎回回収する!これしかないということで、授業終わりに集めることでこの問題に対処をしています。が、その分毎回の授業はじめには子どもたちにワークシートを返さなくてはなりません。これが思った以上に時間がかかりました。子どもに渡して任せると騒ぎはじめて落ち着くまでにもまた時間がかかります。まぁ仕方ないかなと思っていたんですが、今日で3日目。自分が何人かの子に配布をお願いしようとしていると「先生、自分にも配らせて!」という仕草をしてくる子どもたちが出てきました。こういうさりげない変化が実は大きな成長なのかもなと感じます。また、授業終わりにワークシートを回収しようとすると、何人かの子どもたちは自分のファイルにしっかりとしまって自分で保管しようとする姿もありました。自分にできることは自分でする。ナミビアだから!という自分の思考が子どもたちを甘やかしてしまっているのは事実ですが、いつまでも「やってあげる」では子どもたちも成長しないのは当然です。その見極めもこれからはもっと必要だなと子どもたちから教わりました。(ですが、影を作るために子どもたちにわたした「つまようじ」は紛失続出です。)
 
グレード6の4桁÷1桁の指導も今日で一区切り。先輩にも子どもたちの課題チェックを手伝ってもらい2人いるだけでこんなに違うんだなと感じたところです。この勢いで中休み明けたらあと1時間授業をすれば今週も終了!と思ってたらですね。
 
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10時からペアレンツミーティングがあるので保護者が来るのは当然です。朝、校長から指示があったので子どもたちは椅子を外に運んでいます。まるで授業参観や運動会当日の子どもたちみたいだなーなんて思いながらその光景を見ていました。でもそれじゃあ中休み明けは教室の椅子は減ってるから授業を大変だなぁなんてこの時は本気で思っていました。
 
そんな風に思いながら外で立っていると同僚のカウンターパートが先輩隊員に挨拶をしに近寄ってきまして笑顔で一言。
 
「今日はハーフデイだからあまり授業が見れなくて申し訳ない。」
 
うん、まぁそうねぇなんてサラッと聞き流してたんですが引っかかりました。ハーフデイ??ちょっと待ってと思わず彼に質問。ハーフデイってことはつまり今日の授業は4時間で終了ってこと!?
 
「ハハハハ。Mr.コジマ、朝言ってたじゃないかー。」
 
マジか。自分のリスニング力が足りなかったのでしょう。つまり、もうこの時点で今日の学校は終了していたというわけです。ほほう。知らなかったのは自分だけだったのか。その後、生徒や同僚をつかまえて「知ってた??」なんて聞いてみると、火曜日に知った、水曜にたまたま情報を得たなんていう返事が返ってきました。先ほどの前言を撤回。朝のスタッフミーティングは自分にとっては毎朝必要かもしれません。そしてこのペアレンツミーティング、自分も当然参加するとのことでした。
 
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ということで青空の下で始まったペアレンツミーティング。ここで注意すべきは、参加者は保護者であるということです。何が問題か?保護者の中には学校教育を受けていない方々がたくさんいます。なので使用している言語は英語ではなく現地語(ルカンガリー)です。公用語が英語とされているナミビアですが、村レベルになるとその情報は適応していません。なのでこの話し合い、一切の英語が出てきません。はじめっからおわりまでぜーんぶ現地語です。そんな中、いきなり校長に自己紹介をしろと振られました。やりますよ、もちろん現地語で。非常に簡単な自己紹介。英語に訳したら恥ずかしいくらいの基本情報のみですが、アジア人がルカンガリーを喋ってるってだけで喜んでくれて、最後には拍手をいただきました。よくがんばった、兄ちゃん!!的なやつです。さっ、次は誰の番かな?と思ってたら議事がスタート。なぜ自分だけ??まぁよしとします。
 
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今日の記事は長くなってきたので少々手短に。このペアレンツミーティング、お昼には終わるかなーなんて思ってたんですが結局なんと5時間もかかりました。終始現地語です、もちろん。きつかった。終わった頃はもう日が傾き始めていました。そして使用した椅子をそのまま外に出しっぱなしにして来週月曜日を迎えられるブンヤセカンダリースクールです。本当に平和な村だなと。
 
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その後、家に帰ってずっと待っていてもらっていた先輩とともにブンヤの川沿いを散策しました。何度歩いても違う表情を見せてくれるブンヤの村です。雨季の雨により洪水をしていた範囲の水が引き、川沿いでも多くの人を見かけるようになりました。冬が始まっていますが川で水浴びをしている人の姿もあり、寒くないのかとこっちが心配になります。日も暮れ始めると川に反射された太陽の光がキラキラと輝きステキな景色が広がりました。改めて非日常を感じた夕暮れ時でした。