ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

マラウィの「最高級レストラン」の名は伊達じゃない

2016年5月6日、天気曇り時々晴れそして突風。

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寒さよりも疲れが勝り無事に山小屋で熟睡。朝方3時に起きてそこから朝ごはんを暖炉の火で作り、温かい雑炊で身も心もあったまっていよいよムランジェ登山2日目がスタートです。

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朝5時半、今回の目標到達点であるサピータピークに向けての挑戦がスタートしました。もうこの時間になるとヘッドライトもいらないくらいあたりは明るかったので、視界良好でとにかく上を目指します。そして昨日に引き続きやはりまずキツイのが1番最初。土や岩が自然でできた階段状になっているものの、とにかくその一段一段が高いのでまずはそれに慣れるのがとにかく大変。いきなり息を切らせながら前の人に着いて行くのが精一杯。昨日の足の疲労もあり、かなりスタートからハードでした。

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そしてピークアタック開始から1時間ほどするともう登山というよりはロッククライミングといった方がいいような道のりに変わりました。とんでもない傾斜にゴツゴツと置かれた岩をよじ登っていきます。

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「この山は、およそ130万年前に大地溝帯に沿った地殻運動によるマグマの押出しにより形成され、その後長い時間をかけて周囲の岩が浸食を受けた結果、浸食に耐えたムランジェ山の火成岩が現在の形で残ったものであると考えられている。」(wikipediaより)

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まさに岩岩岩。とんでもない斜面にへばりつきながら進んだり、足場の無い滑らかな斜面を駆け登ったりしながらとにかく前進していきます。ふと下を見るとその光景だけでも迫力満点。岩と岩の間をすり抜けたり、岩のトンネルをくぐり抜けたりすることもありました。

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頂上に近づくにつれて仲間に手を引っ張ってもらわないと厳しい、まさにファイト一発的なシーンもちょくちょくでてくるようになりました。そして、かなり上まで来た時、なんと太陽の周りに不思議な円状の虹が!ゴールが近いという事実が歩を進めさせてくれました。

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そして、山小屋を出発しておよそ3時間、ついにムランジェ山で最も高い頂、サピータピークに到着しました!!!やったーーーー!と叫びたいんですがそれよりもさきに口に出たのは寒いーーーー!!!でした。突如吹き荒れる上空の突風。しかもかなり水分を含んでいるので顔も手も濡れてきます。そして周りの景色を堪能したくても靄がかかってる上に寒すぎてそれどころではない。なので、岩陰に座ってなんとか風をしのいで、持ってきたお菓子でお腹を満たしました。スニッカーズがこんなにおいしいなんて初めて知りました。

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もはやこの頂上にいても体力が削られるだけなので、突風吹き荒れる中決死の集合写真をなんとか撮り終え下山を開始しました。今にして思えば忘れられない山頂です。

わかっていたことですが、行きにとんでもない岩をよじ登ってきた分、帰りはそれを下っていかなくてはいけません。格好なんて気にしている余裕はないので、お尻をついて常時エクソシスト状態。加えて、靄による水分で岩が登りの時よりも濡れている関係で油断してると滑ります。慎重になっているつもりでも一瞬の油断で尻からズドンと。全身に力を入れて下山をするというのはかなりしんどいものがありました。

2時間かけてようやく昨晩泊まった山小屋に到着。下山最大の難関を超えてホッと一安心したいところですが、まだまだここからが長いわけです。昼食を軽く済ませて、荷物を背負って下山再開です。先ほどの頂上からの下山ですでに足の指と爪にかなりの痛みを感じていましたが、そんなことでヒーヒー言っている暇はなく、登って来た道を逆に進んでいきます。

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山は登りよりも下りがキツイというのはまさにその通り。ひたすらブレーキをかけながら下り続けるのは足にかなりの疲労がたまっていきます。(車も同じですかね?)そして、下ってるはずなのに突如現れる登り。これにまた心を折られるわけです。とにかくスタート地点に到着することだけを目指してひたすら足を前へ前へ。

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山小屋出発から約1時間半、途中の分岐点でガイドのMr.ラファエルの提案により行きとは違う『時間は短いけれど厳しいコース』を選択し、また違うムランジェ山の景色も目に焼き付けながら下り続けます。途中には一学期にグレード5の子たちに理科で教えたコケ植物(Mosses)やシダ植物(Ferns)が生息する滑りやすい場所があったり、岩の上を移動して川を越える場所があったりと「今だから言える」楽しいコースをすすみ、出発から下り続けることおよそ4時間半。ついにスタート地点に戻ってくることができました。

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達成感に含まれた無事に帰ってこれたことの安堵感。そして全身の疲労感。ムランジェ山は自分がこれまで経験したどの山よりも険しい山でした。(サピータピーク以外にもいろいろとコースがあるそうですが、それらの方がもっと険しいそうです。また、今回自分たちは一泊二日で登りましたが、サピータピークを目指す場合は二泊三日がオススメだそうです。)

下山後、ホッと一息つきたいところですが今日はそこからすぐにまた移動。軽く着替えを済ませて荷物をまとめたらこの旅最後のミニバス(今回は乗用車でした)に乗り再度ブランタイヤへ向かいました。本日の宿(Kabula lodge)にチェックインした後はシャワーを浴びてサッパリ!このロッジは景色がきれいなことで有名らしく、高台に位置するテラスからはすてきな夜景が見えました。さらにここ、この旅で初めてのWi-Fiが無料で使えるロッジでした。

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シャワーでスッキリした後は、この旅最後の夕食へ。向かった先はプロテアホテルに併設されたレストラン「GRILL 21」です。マラウィ最高級のレストランとの情報は事前に聞いてはいたんですが、正直自分は甘く見ていました。ここ、とんでもなくVIPな雰囲気のレストランです。もしもしっかりとした服を持ち合わせているのなら、ちゃんとした身なりで行った方がいいお店です。ウェイターさんの接客から店内に流れる音楽、インテリア、何から何まで気品に溢れています。日本にあっても全然違和感ないレストラン。デートにぴったりな感じの場所でした。
昨日の今頃は山小屋にいたんだよなと思いながら、おいしいフィレ肉をレアでいただく贅沢な夜を過ごしました。