ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

マラウィには中央アフリカ地域で1番高い山がある

2016年5月5日、天気曇り時々晴れ。

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早朝、目が覚めてベッドから起き上がるとすぐに外へ。すると目の前にはそびえる岩の壁!あまりの大きさに思わず圧倒されました。今回のマラウィ旅行最後のイベントは一泊二日でこの岩の壁のように見える山、ムランジェ山に登ります!!

ムランジェ山の概要をご紹介します。ウィキペディア調べによりますと

「ムランジェ山(Mount Mulanje)またはムランジェ山塊(Mulanje Massif)は、マラウィ南部州に位置する巨大な残丘である。およそ640㎢の面積を擁するとともに、最も海抜の高いサピータピーク(Sapitwa Peak)地点は標高3002mを誇る。なお、ムランジェ山はマラウィ国内および中央アフリカ地域における最高峰である。」

とのことです。もちろん、今回我々が目指すのはサピータピークです!万全の荷物を準備して、いざ、ムランジェ登山に出発です。

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まずは登山口まで移動します。そしてここで登場するのがチャリマト(自転車タクシー)です。登山用の荷物を背負って後部座席に座り、風を切っての移動はなかなか爽快。しかし、山ちゃんと安定して乗れるようにハンドルも付いているので安心です。やはり道はガタガタしてるので揺れますが、それよりも周りの景色に目がいきます。

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朝からお茶畑で茶摘みをする人々の姿がありました。このあたりは茶の栽培が有名らしく、今はちょうど収穫の時期のようでした。他の植物とは違う茶の緑が一面に絨毯のように広がる景色に朝から心を洗われた気分でした。そしてすぐそこにはそびえるムランジェ山。これからどんな登山が始まるのか...。この時はまだお楽しみな気分でいた自分がいたように思います。

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いざ、登山口に到着し今回自分たちのガイドを務めてくれるMr.ラファエルと合流し、いよいよ山登りがスタートしました。はじめはなだらかな登り坂が続きます。この山では木材の産業も盛んらしく、木を切り倒している作業所の方々や、木材を頭の上に乗せて下っている人の姿もありました。そして、登山開始から30分後くらいだった気がします。いきなり傾斜が厳しくなりました。土の斜面で木の根によって足場はあるんですが、とにかく一段一段が高い。足を上げるので一苦労。まだまだ序盤とはわかっていたんですがもう息をゼーハー言わせながら登り続けました。正直自分にとってはこの最初が一番きつかった気がします。

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そこから1時間ほどすると今度はゴツゴツとした岩が並ぶ斜面に。階段状になっているところもあり、足を高く上げなくていい分、少し落ち着いてきたかなと。しかしそれでも傾斜は常に急です。じわじわと足に疲労が溜まってきます。

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登山開始からおよそ2時間半。もう持ってきた水が底をついた頃にようやく給水ポイントに到着しました!山から湧き出る水をゲットです。もうこの時の安心感と言ったらそれはそれは。そして水がこんなにもおいしいものだと感じられる喜び。これでもう少し頑張れる!(彼がガイドのMr.ラファエルです。)

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その後は登りが終わり、平坦な道が続きました。ピンク色の植物が一面に広がり、キレイな景色をバックに歩を進めました。

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そして、出発からおよそ3時間半。ようやくお昼を食べる山小屋に到着しました。もうかなりヘトヘト。そして、気温もだいぶ下がってきたなという印象でした。持ってきたパンにジャムをつけていただきます。疲れた身体には甘いものが1番です。

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1時間ほど休憩して登山再開。ここからは不思議な道が続きました。急な斜面は少ないものの、岩の上を進んでいきます。どこまでも果てしなく続く山道をひたすら進んでいきます。そして、周りの景色を見るととんでもないところまで登ってきたなと実感。

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終盤になってくると今度は一気に登ったかと思ったら一気に下るというまたまた険しい道が続きました。もう足にはかなりの限界がきてまして、太ももは今にもつりそうでした。それでも進むしかなく、ただ今日のゴールを目指してひたすら前進。

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たまに抜ける景色がとってもきれい!その瞬間だけは疲れを忘れ、絶景に心が癒されました。

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もうすぐ着くはず!あの丘を越えたら!!あの丘を越えたら!!!を繰り返すこと数回。最後の急な斜面を下っていると見えた山小屋!やったー!!ゴールだーー!!と思ったものの意外とそこからも距離はあり、最後の一踏ん張り。登山開始から7時間。ようやく本日の宿泊先に到着しました。

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夜になるとものすごく寒い山小屋。電気はありません。持ってきた防寒着を全て着て、暖炉で沸かしたお湯で紅茶を淹れて身体を温めます。そして、夕飯はシマ!Mr.ラファエルが作ってくれました。そしてそのシマの付け合わせの肉料理はチキン!このチキンは先ほどの写真で彼が右手に持っていたものです。下からずっと生きたままの状態でここまで持ってきて、山小屋で捌きました。人生で初めて、屠殺を目にしました。生き物の命をいただくことに感謝することの大切さを改めて感じたムランジェ山の夜。本当においしいチキンで、本当は明日の分も残しておこうかなんて考えていたんですが、夜のうちに全部食べてしまいました。いただきました。

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食べたらあとは明日に備えて身体を休めるのみ。ですが、その前に外に出て星空撮影!これでもかというくらいに星が輝く夜空に心を奪われました。ものすごいところに来たんだなと感じた夜でした。その後は寝袋にくるまって即眠りにつきました。今日は本当にハードな1日でしたが、明日これ以上の難関が待ち受けていることはこの時は知る由もありませんでした。