ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

大学受験の際に必死に覚えた英単語は音だけが耳に残っていて意味がスッカリ消えている

2016年2月23日、天気晴れ。

実は昨日、ちょっとした出来事が。理科室で指導案書いてると、子どもたちが雨に濡れながら入ってきたんです。その手には、教室に掲示しておいたかけ算の九九表が。「どうした?風が強かったから飛んじゃった?」と聞くと「先生がはずせって...」。何かあったのかすごく気になったんですが、その先生はもう先に帰ってしまったので何も聞けず。モヤモヤしたまま今日をむかえたわけです。

朝一、その先生にあったので昨日のことについて質問したんです。すると...
「自分は英語の担当で、この教室は英語の授業をするための場所なんだ。だから英語のもの以外は貼らないでくれ。」
あっ、そういうことですか。ほぉー!思わず聞き返しました。
「自分は担任もってないからクラスがないんですが、どうすればいいんですか?」
「毎日授業前に貼って、授業の終わりに剥がしてくれればいいよ。」
ほぉー!念押しの質問。
「毎日ね!?」

いやー、朝からムシャクシャした気持ちに。やっと子どもたちにも九九表の重要性がわかってきて、計算する時は掲示してある九九表を見る習慣が定着してきたかなって頃だったのでショックは尚更デカイです。はぁー、どうしようか。別に九九表ぐらい貼っててもいいじゃん...。

で、思わず慌ててもう1つのグレード6のクラス担任を見つけて、九九表を教室に貼っててもいいか?と聞くと...
「全然いいよ!何でも好きな場所に貼ってくれていいから!」
この時自分がどんなことを思ったか。まぁご想像どおりです。比較するわけですね、2人の先生を。でも、今になって思います。自分がバカでした。

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今日の授業を一通り終えて、職員室に戻るとそこに彼がいました。正直あんまり彼と今は面と向かってうまく話せる気がしなかったので、彼が何か言ってたんですがさらっと流してました。でも気になる英単語が聞こえてきたんです。「offend」...って何だっけ?なんて思って彼を見ると、作業をしてました。...その瞬間ですね。もうすみませんでしたとしか言えなかった。どんだけ自分が自己中心的に物事を考えていたか。正直何も言わずにかけ算九九表を当然のように教室に掲示していたのは自分。それを彼がどんな思いで見てたのか。そして、それを剥がされたことに対して嫌悪感を示した自分。彼にも彼の考えがあったわけです。書きあがった模造紙を見て、本当に申し訳なさでいっぱいになりました。自分が算数や理科に一生懸命になってるように、彼だって英語の指導に情熱をもって取り組んでいたんだってことに初めて気付かされました。本当にごめんなさい。その後、さっき気になった英単語を調べたわけです。
「感情を害する」
そのあと何回ごめんなさいと言ったことか。恥ずかしい限りでした。彼の名前はMr.ジョハネス、長い名前だからジョンでいいよと言われて以来、ずっとその名で呼んでます。
Mr.ジョン、大切なことを教わりました。

アフリカ=先生たちはやる気がないっていう偏見を自分の学校にまで適応してしまっていた自分が情けない。そう、我がブンヤセカンダリースクールにはとってもステキな先生たちがまだまだたくさんいるんです。
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Mr.ムコーソー、彼のクラスにある日突然掲示されたBirthday Chartに驚いたことを今でも忘れません。その前日に「カラーペンを持ってないか?」って彼に聞かれたんですが、あいにく持ち合わせてなくごめんねと伝えたんですが、こんなことなら一度家に帰ってでも持ってくるべきだった。ナミビアにもこんな粋なことをする先生がいたんです。もうこれはすごく嬉しい出来事で、思わず彼に「すごくいいよこれ!日本でも同じような掲示物を貼ってる先生がいるよ」って伝えると、とんでもなく喜んでました。子ども一人一人を大切にする彼の思いに感銘を受けました。

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そして今日も理科室で昼休憩をとっていると、同僚たちがやってきました。理科準備室で何やらゴソゴソやってたんですが、突然呼ばれて「ろ紙はある?」って聞かれたんで、たしか床に落ちてた気がして探してみると発見。よかったよかったと思い、そのまま彼らの授業準備の様子を見てました。土が水を濾過する様子を見せたい彼ら。他の学校と比べたらとても充実しているブンヤセカンダリースクールの理科教材ですが、やはり生徒にちゃんとした実験を行わせるためには厳しい状況にあります。そんな中でもなんとか実験に取り組ませたいという思いで、わずかな実験機材を組み合わせて試行錯誤をしているその姿は真剣そのものでした。あとでちゃんと借りた道具は返すからね!と言ってもらえるあたりは、自分が理科室担当として認識されているんだなと。理科室整備もそろそろ始めないとなと感じました。

いやー、今日はなんか今一度自分を見つめ直す機会になりました。よし、かけ算九九表を簡単に取り付け&取り外しができる方法を考えよう!