ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

できると「うれしい!」からやる気が出て「たのしい!」になってきて最後は「大好き!」に

2016年2月10日、天気晴れ。

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厳しい。
グレード6の子たちの今年度最初にして最大の山場がもう来た感じです。かけ算(Multiplication)。かけ算はグレード2で初めて登場する単元で(日本と同じです)、スタートしていて、子どもたちもすでに4年間学習をしてきているわけです。が、正直に客観的な事実を述べたいと思います。4年間分の学習の積み重ねがない子がほとんどです。昨年習ったであろう、2桁×2桁が難しいのはまぁ百歩譲って仕方ない!今年頑張ればきっと理解できるよ!と思うんですが、その前の2桁×1桁が厳しい様子の子が半分ですかね。で、じゃあ残りの半分はというと、なんと1桁×1桁が厳しいんです。九九表見ないと答えがわかりません。で、そんな子達に今年グレード6では4桁×2桁まで教えなくてはならないんです。これは、正直今現在の自分はとんでもない挑戦だととらえています。まだ×3桁じゃなかっただけよかった。もしそうだったらこれは不可能の域に入ってました。

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ちなみにもちろん奮闘している子もいます。この子は前回のトピックテストでクラスでただ1人満点を取った子です!一生懸命頑張ってるし、数のセンスも持ち合わせてるので、きっと今年1年間で大きく成長するんじゃないかなと期待してるところです。ですが、先日その子が自主的にかけ算プリントの練習問題を解いてる様子を見ていた時です。この子、現時点でグレード6の子の中で1番算数ができるといってもいいと思います。その子がです。
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かけ算をたし算の式にして1つ1つ答えを書いてたんです。これには非常に驚かされました。そして、さらに驚いたのは次の日にかけ算プリントの50問を全てやり終えて提出してくれたんです。
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あのやり方で50問って、一体どんだけの時間をかけてやってきたんだ!?しかもほぼ正解。もうその努力に驚かされるとともに、かけ算の計算方法をしっかり教えて彼を助けてあげたいと心の底から思った瞬間でした。もちろん彼だけではなくみんなですが。

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悔しい。
簡単に言うと日本でいう小学2年生に小学4年生の学習内容を指導しているのが現状です。本当にとんでもない挑戦が始まってしまったという感じで、終わりなき道のりを歩き始めた感覚に襲われています。ですが、それとは逆に子どもたちはものすごく積極的なんです。自分のかけ算のやり方の説明を聞いて、その後の練習問題の時間になると、一生懸命問題を解くんです。で、答えが出るといつものせんせー!が聞こえてくるんです。よっしゃ!と思って赤ペン持ってノートを見ると...。まぁまだまだかけ算に慣れていないので仕方ないんです。マンツーマンで説明しながら一緒に問題を解いてあげます。よし、じゃあ次の子!って思ってまたノート見ると、この子も違う答えが。根気強く1つ1つ解説します。よし次こそ!次こそ!!次こそ!!!...次こそ!!...次こそ!...次こそ......。悔しいです。子どもたちはこんなにやる気出して取り組んでるのに、マルをつけてあげることができないんです。こんなに一生懸命になって頑張ってるのに、ノートを見てあげた時にどうしても苦渋の顔になってしまう自分がいるんです。どうすりゃいいんだ。ちなみに今日やったのは2桁×2桁。つまり去年の学習内容の復習です。

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帰り道、もう無い頭使って必死に考えました。九九表はクラスに貼ってある。貼ってあることには意味がある。でも、もっと基本的なところから抑えないといけないのか?かけ算の概念的なところ?いや、それはいらない。知識詰め込み型だろうが、今の彼らに必要なのはとにかく「型」。数学的考え方なんて申し訳ないが身につけさせるのはほぼ不可能。どういうすすめかたで指導してあげたらいいのか...。そんなことを考えてる時に頭の片隅で感じたことは、日本の子どもってなんなんだ?ってことです。小2の子で九九を暗記してる子がいる。ハッキリ言って現在のグレード6の子の中に九九を暗記してる子は1人もいません。日本の子どもってバケモノなのか??なんてことまで考えてしまう始末。そもそも、なぜ自分は九九がスラスラ言えるようになったんだ?自分だって昔は九九に苦戦していた時期があったのに、いつの間にかそれが言えて当たり前になってたなと。いったいいつから?考えれば考えるほど不思議です。

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やるしかない。
こういう時は頭をからっぽにする。原点回帰。楽しい授業。でもそのためには結果が必要。やっぱ子どもにとってマルのもらえない授業は辛いはず。もっとレベル落として、基本からやるしかないのかなと。で、時間の問題でその分どこかは切り捨てないといけないわけです。うん、わり算は捨てるしかないという結論にいたりました。当然ですが、わり算はグレード6の子どもにとっては未知の生物のようです。出会ってるはずなんですがね。先の見えない難関かけ算ロード。後ろじゃなくて前を見て、一歩一歩進んで行けばきっとゴールに辿り着く!と信じて進みたいと思います。