ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

【第4回】小島ナミビア史 〜転校したことのない人は転校生に憧れる〜

2016年12月6日、天気晴れのちくもり。

 

【第1回】小島ナミビア史 〜まえがきは大抵読まれないことの方が多い〜 - ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-
【第2回】小島ナミビア史 〜やっぱり小室ファミリーが好き〜 - ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-
【第3回】小島ナミビア史 〜ヒーローは遅れて登場する〜 - ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

 

f:id:TPVC28-Namibia:20161207104829j:image

ついに出揃ったナミビア主要民族。今日は少し時系列に話をすすめてみたいと思います。「ナミビアは移民の国」これはナミビアの歴史を語る上で重要なキーワードになります。移民というのはつまり簡単に言えば転校生のようなもんです。そしてだいたい学園モノのドラマやマンガではこの転校生が一波乱起こすわけですね。まさにナミビアもその通り!異なる考えをもつ移民たちがどう関わって影響し合っていったのかを解説していきたいと思います。

f:id:TPVC28-Namibia:20161207104912j:image

まず1期のメンバーは①サン民族ナマ族ダマラ民族の3種族でした。そしてこの初期メンバーは基本的には「狩猟採集民族」にカテゴライズされるんですが、それぞれがかなりの個性的な性格の持ち主。サン民族はザ・アフリカといった狩猟採集一筋。頑固な性格で決して他人に流されないのが彼ら。対してナマ族は新しいもの好き。もう狩猟採集なんてヤダ!と生活スタイルを一新して牛、羊、ヤギを育てる牧畜ライフに切り替えたのがナマ族です。そして最後にダマラ民族。彼らはとにかく自由きままに我が道をいくタイプ。狩猟採集でもいいし、牧畜でもいいしという優柔不断なダマラ民族はその後の移民たちにモロに影響を受けることになります。

f:id:TPVC28-Namibia:20161207105048j:image

そこに1500年代からぞろぞろとやってきた2期メンバーが④オバンボ族ヘレロ族カバンゴ族カプリビアンズのバンツー民族と呼ばれる大きな民族団体。彼らは1期メンバーと違い「農耕牧畜民族」になります。農業に適した水や土のよい場所、家畜を飼育するための牧草が生い茂る場所を求めて移動をしていたところで見つけたのがこのナミビアの地だったわけです。彼らの中でオバンボ族カバンゴ族カプリビアンズたちはそれぞれ安定の地を見つけることができました。要は新しいクラスで自分の居場所をすぐに見つけられたのがこの3人。しかし少しあとに転向してきたヘレロ族だけは自分の居場所が見つからなかったのでどうしたかというと1期メンバーとからむしかなかったんですね。

f:id:TPVC28-Namibia:20161207105123j:image

そしてここでヘレロ族は考えるわけですね。誰と仲良くなれそうか。そこで彼らがビビビときたのは新しいもの好きで同じ牧畜を営んでいたナマ族でした。ヘレロ族とナマ族は自分たちの基本である牛の飼育に専念するんですね。大事に牛を育ててたんです。そこに頑固一徹なサン民族が現れます。あっ、牛だ!彼らは彼らの基本である狩猟に専念するんですね。なので誰かの牛だろうが狩っちゃうんです。...そりゃケンカになりますよ。人の飼ってる牛を狩るなんてありえなーい!とクラス中から非難を受けたサン民族は除け者扱いされてしまうんですね。彼らは現在の彼らの拠点でもあるナミビア東部のカラハリ砂漠と呼ばれるカラッカラの地域に移動することになりました。

f:id:TPVC28-Namibia:20161207105148j:image

そしてもう1人の1期メンバー、ダマラ民族。彼らの中にはヘレロ族の牛を見ていいなーと思い自分たちでも飼い始めた者がいました。彼らの中にはナマ族の言語や文化に興味をもってナマ化(造語です)する者がいました。自由勝手なダマラ族はヘレロ族やナマ族からすると手を焼くんだけど憎めない存在だったんです。結果どうなったか。彼らはサン民族のように遠い砂漠に移動するのではなく、ヘレロ族やナマ族が主に生活していたナミビア中央部のとなりにある山の中で暮らし始めました。そしてヘレロ族やナマ族の愛せる弟分となりました。おしまい。とここで終わらないんです。最後が一番すごい!ダマラ民族は兄貴分ナマ族に影響されすぎた結果、自分たちのしゃべっていた言葉、自分たちの文化を完全に忘れてしまったんです。忘れるわけないでしょうと思うんですが、キレイさっぱり!ダマラ民族がいったい彼らに影響される以前にどのような言葉をしゃべっていたのか、どのような文化様式をもった民族だったのかは今では一切わからないそうです。歴史を文字で残すことができなかったアフリカらしい出来事です。すごいですね。

 

f:id:TPVC28-Namibia:20161207105211j:image

さぁ、ここまでの経緯を軽く整理。
①サン民族→ 狩猟採取を貫いて除け者に
②ナマ族&⑤ヘレロ族→ ナミビア中央部の兄貴分に
③ダマラ民族→ ひっそりと暮らすナマ族の弟分に
④オバンボ族&⑥カバンゴ族&⑦カプリビアンズ→ ナミビア北部でのんびり

f:id:TPVC28-Namibia:20161207105323j:image
わかることはナミビア中央部がなんだか盛り上がってきたなということです。そしてここに1800年代にやってくる転校生たちが加わるわけです。3期メンバーの⑧オーラム族と⑨バスター民族です。この2つの種族のポイントは「南アフリカ出身」という点!簡単に言うと田舎の学校に都会から転校生がやってきたという感じです。都会の最新の流行とファッションを見に纏いやってきた彼らがどのような影響を及ぼすのかはまた次回です。

 

f:id:TPVC28-Namibia:20161207105350j:image

昨夜の楽しいンタラでの夜。こんな時間に車は捕まえられないなと思ってましたがなんとたまたま停まってくれた車から「こっじっまさ〜〜ん!」の声が!!まさかの一番信頼できる同僚Mr.シテーモさんでした。超ラッキーで家に帰宅できました。

そして本日、バックパックに荷物を詰め込んでこのホリデー2度目の旅に出発しました!しかもその間およそ一ヶ月の長期旅行!!!!つまり今年のブンヤにサヨナラをした朝でした。なんとお腹が大きかったお母さんイヌが無事に2匹の子犬を産んでました。その愛くるしい姿に後ろ髪を引かれつついざ!

今日は西へと進路を進めます。まぁ時間が今日はかかりました。待ち時間が長かったり途中下車が頻繁にあったりといろいろありましたが、その分写真に入りきらない大きな虹も見れたし、なんと偶然のラッキーで25枚目のウェルカムボードも撮れました!旅は始まったばかり。現在この旅最初の目的地に向かう車の中からちょうど夕日が沈む瞬間を見ているところです。安全第一で楽しみます!