ワン・イヤー・イン・ナミビア -365日のブログ-

2016年1月1日、人生初となる1年間まるまるナミビア暮らしが始まった。アフリカ大陸で過ごす1年間。青年海外協力隊としての活動や、今の自分を記録に残していくための1年間限定ブログ。

さよならの向こうには何かがきっと待っている

2017年3月19日、天気晴れ。

 

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2015年7月7日、午前10時頃。日本からおよそ24時間のフライトを経てナミビアの地に到着しました。南アフリカでの乗り継ぎでいきなり寒さを経験しビックリ!ナミビアに着いたら全員ロストバゲージでビックリ!ウィントフックの街にビックリ!そして夕飯は初日からシマウマのステーキにビックリ!本当にビックリだらけだったナミビア赴任一日目。あれから何日が経ったのか。数えてみました。今日がナミビア生活622日目でした。622。数字にするとその過ごした月日の多さにまたまたビックリ。スゴイなぁとどこか他人事の自分です。そして今日、この622日目で自分のナミビア生活に終止符が打たれます。旅立ちの日です。

 

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早朝5時に起きて最終荷造りを開始。ここでも未だ帰るのかなー??とまだ実感がありませんでした。とりあえずキレイに詰めてみて、帰るんだよ!!と自分に言い聞かせてみます。そう、帰るんだよね。まるでどこかに旅行に行ってまたナミビアに戻ってくるような気分です。が、今回は片道切符。...ワクワクでもなく、ドキドキでもなく、妙に落ち着いた感じのナミビア最後の朝がやってきました。

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隊員仲間とのナミビア最後の朝食は奮発して高級ビュッフェへ!本当に仲間に恵まれた2年間。隊員数が少ないからこそのアットホームな雰囲気はすごく居心地がよくて、ついつい飲み過ぎたりしゃべりすぎたりする夜がいくつもありました。そして最後は寝落ちする。そんな自分を温かく受け入れてくれた全てのナミビアファミリーに心から感謝したいと思います。みんなと出会えて本当に良かったです。たくさんお世話になりました。

 

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最後の朝食を終えて宿に戻ってくるともう迎えの車が。先輩隊員を乗せて走り去っていく車を見送ったのが丁度一年前の今日でした。そして本日。あの時一年後のこととして思い描いていたその瞬間がやってきました。思い返せばあっという間の一年。ついに自分が乗る番です。トランクに荷物を入れて、出発。お別れです。じゃあちょっと旅行に行ってくるね!まだどこか旅行気分。

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そう!忘れちゃいけないシリーズ完結編。ナミビア中のウェルカムボードを集めるという個人的な目標を掲げてたくさん旅をしてきましたが、これがラストの1枚になります。最後は首都ウィントフック!全部で43ヶ所のウェルカムボードを制覇しました。パチパチパチ!しかしまだまだ眠るウェルカムボード。改めてナミビアという国の大きさを知ると共に、いつかこの続きを!?なんて密かに思う自分でした。

 

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空港に到着!とここからが大忙し。預け荷物の重量制限23kgをクリアすべく、みなさんに助けてもらいながら荷物を入れ替えてなんとか無事ギリギリセーフに収めました。よかった。3つの荷物が吸い込まれるようにコンベアーで運ばれていくと...あっ帰るんだな。ようやくそんな気分になりました。

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そしてわざわざ空港まで見送りに来てくれたみんな。自分は幸せ者なんだなーとこれでもかというくらいのハッピーで胸がいっぱいになりました。そして背中を押してくれるみんながいてようやく実感が湧きました。自分、日本に帰ります!!帰るんだ!!笑顔で送ってくれるみんなのサヨナラを背に受けて、出国のスタンプがドーーン!と押されました。バイバイ!またね!!本当にありがとーーう!!!!

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搭乗。ついにナミビアとの別れの時です。たくさん勉強させてもらって、たくさん成長させてもらった622日間。本当に任国がナミビアで良かったと心の底から思います。そしていずれ必ずナミビアにまた戻ってきたいと思います。だからサヨナラまたね!!次にナミビアに来るときは今よりももっともっと成長した自分で。それまでしばしのお別れ。ナミビアもまだまだこれからの若い国。自分もまだまだこれから!!ここで学んだことを活かしてこれから第3の人生を歩んでいきたいなと思います。思いっきり楽しむぞマイライフ!!

 

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それでは締めくくります。1年9ヶ月、本当に最高の毎日を過ごさせてもらいました。さよならナミビア!ありがとうナミビア!そして自分を支えてくれた、応援してくれた全ての人々に心から感謝をしたいと思います。

2017年3月19日、12時35分ジャスト離陸!!

日本に帰ります!!いざピリオドの向こう側へ!!

マラソンゴール手前のラスト1kmで思い出すのはスタートした瞬間のコト

2017年3月18日、天気晴れ。

 

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ナミビア最後の一日。そんな感じが全くしないのが非常に不思議で仕方がないです。大通り沿いのカフェでカプチーノを飲んではじまるのんびりとした朝。今日が最後なんだ!!いつも通りの朝なのに、なーーにかが違うのは心のどこかで明日に迫った帰国をようやく意識しはじめたからなのかもしれません。

 

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今日はナミビアで最後にやりたいことをやり切る一日!まずはここ。ウィントフックの街の小高い場所にそびえるこの巨大な建物と銅像!ここはナミビアの独立までの歴史を学ぶことのできる独立記念ミュージアムです。自分たちがナミビアに来て2週目くらいの頃、研修の一環としてここにやってきました。

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あの頃はナミビアの歴史について知識も浅かったのでただ単にナミビアはすごい歴史を辿ってきたんだなと感じる程度でした。しかし現在、ドイツと南アフリカの2ヶ国の植民地時代を経験しているこの国の歴史に触れてから再びこの場所を訪れるとそこから感じることや考えることはあの頃とは全く違いました。自由を求めて奮闘し続けてきた人々の歴史があったからこそ今のナミビアがある。今では自分の目から見るとその歴史の面影を感じることは非常に少ないです。しかしこの国が独立を果たしたのはわずか27年前の出来事。人々の心にはきっとその歴史は今もハッキリと色濃く残っていることと思います。これからナミビアという国について語る時、この歴史については必ず触れたいことの一つです。

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そしてこれまで何度も車で通り過ぎてはいましたが、改めて首都ウィントフックのシンボル的な教会にも足を運びました。ちなみに独立記念ミュージアムのすぐ目の前にあります。今日で全て見納め!楽しい最後のウィントフック散歩でした。

 

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まだまだ新しい発見と出会いがある街ウィントフック。ずっと改修工事をしていたお店はなんと魚料理のお店に。中には回転寿司も!ついつい魚が恋しくなってしまうのはやはり自分が日本人だからかもしれません。ですがお寿司は日本に帰ってからだなと思いとどまりました。日本食、とっても楽しみです!

 

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さぁ午前中のウィントフック散歩のあとは車に揺られてナミビアで最後のサファリへ!! やってきたのは首都からわずか30kmほどの場所にあるオカプカという場所。ここに来るのも実は2度目。1度目は来て3週目くらいの頃だったかなと。

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さぁ、専用の車に乗っていざ最後のゲーム(野生動物)ドライブへ。今年は本当に雨に恵まれているので植物が生い茂る平原を車でガンガン進んでいきます。正直雨季のこの時期はサファリにはあまり適しません。いろんな場所に水源地ができるので動物たちもまばらにそれぞれの住処で生活をするので出会える動物も少ないことがあります。が、やはり最後のサファリということで天は味方してくれたようです。これでもかと言うくらいにたくさんの動物たちに出会えた本日。

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シロサイ。やはりそのデカイ体で歩く姿には迫力があります。

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スプリングボック。これまで何度も見てきた彼らとも今日でお別れ。小ちゃいけど存在感のある彼らです。

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キリン。マジマジとキリンを眺めていると改めてその首の長さと足の細さ、舌の長さが際立ちます。

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オーストリッチ。もうすっかりオスメスの区別がつくようになった自分に拍手。動物って面白いです。ちなみに彼はオスです。

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ワーボック。イボイノシシの子どもたちがまぁなんて可愛いこと。

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レッドハートビースト。ツノの形がハートマークに見えるからこの名前だそうです。20ドル札のモチーフなので印象深い動物です。

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オリックスナミビアの国のシンボルはやはり風格があります。今日は遠くからジーッとこちらを見ていました。さよならー!

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そして最後はホロホロチョウ。この体のズングリ具合とそれに似合わぬすばしっこさがなんともキュートな彼ら!初めてイイ感じの写真が撮れたのでハッピーです。

 

この他にもシマウマ、ワイルドビースト、エランドなどなどたくさんの動物との出会いがあったラストサファリ!!いったいこの1年9ヶ月で何種類の動物たちと出会ったのか...!?今度調べてみようと思います。そしてサファリのあとは...

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カンパーイ!!ナミビアで過ごす最後の夜は隊員仲間と思い出のレストランへ。たくさんのステキな仲間たちに出会えたこともナミビアに来て良かったことの一つです。みんながいたから自分も頑張れました。みんながいたから思いっきりナミビア生活をエンジョイすることができました。仲間と過ごした数え切れないほどの思い出は一生の宝物です。

その後宿に戻ってそこからまた飲んでしゃべって気付いたら深夜1時過ぎ!今日という日も忘れられない思い出の1ページに。ありがとう!!

さーあ、いよいよだ!!!!!!

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大事な大事なお土産選びは慎重かつ大胆に

2017年3月17日、天気晴れ。

 

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一杯のコーヒーで一日をスタートする幸せ。首都ウィントフックにはオシャレなカフェがたくさんあります。のんびりステキな朝を過ごしていると自分が都会にいるんだなぁということをしみじみと感じます。

今日3月17日は前任校の卒業式でした。2年後の卒業式が終わった頃に日本に帰国するんだ。ナミビアに来る前から一つの指針になっていました。そして今日、ナミビアで目を覚まして朝を迎える頃にはもうその卒業式は終わっていたんだと思います。ついに終わったかぁ。いよいよ帰国まで2日。本日も朝からせわしなく動きました。

 

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これは昨日のことですが書いておきたいなと。こちらは2年間利用していた銀行です。ここに初めて来たのはナミビアに来た翌日だったと記憶しています。まだまーーーったく首都のことも何もわかっていなかった時、現地スタッフと共にこの銀行にやって来て口座を開設しました。全てが????だった遠いあの頃を思い出しては一人ニヤッとしてしまいます。今日は口座をクローズするためにやって来ました。一人で!もうあの頃の自分じゃないんだなと強く実感したのでした。

 

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さぁ!ついに帰国ということで最後のお土産購入タイムです!!やってきたのはおそらく首都最大のお土産シャッピングモールであるクラフトセンターです。ここ最近までずっと改装中だったんですが、今日行ってみるとバッチリオープンしてました。ナミビアらしい商品を取り扱うお店がたくさんあって見てるだけでも楽しいクラフトセンター!

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ナミビアのオバンボ族の伝統的なカラーであるピンクと黒のストライプの布を使った商品はやはり目を引きます!これぞナミビアといった感じです。

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そしてこのお店はクラフトセンターのちょっと外れにあるお土産やさん。なんと話していると彼女はカバンゴ族の方だということが判明!!モロケニ!!首都に上がってきてからすっかり現地語ルカンガリーを使う機会が無くなってしまっていたので久々のカバンゴさんとの出会いにテンションが上がりました!!いやー、言葉が通じるだけで心が通じるんです。ハッピー!そして一目惚れしたカバンゴの太鼓。サイズ感といいデザインといいもう完璧。最後の最後に大きな買い物をしちゃいました!!

 

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街を歩いていると窓にデカデカと「27」という数字が描かれていました。そう、間も無くやってくる2017年3月21日はナミビア独立から27年目の記念すべき日になります。ナミビアの歴史を少し勉強したので、今ではこの独立記念日というものがナミビア国民にとってどれほどの意味をもつ日なのかということを以前よりも深く理解することができます。まだまだ若いナミビアという国がこれからどんな成長を遂げていくのか。楽しみなところです。ちなみにこのお店は独立27周年を記念して27%オフのセールを実施するそうです!目指せ100周年、100%オフ!!

 

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楽しい買い物のあとは最後の仕事を。隊員としての活動を「引継書」としてカタチに残す作業です。これまで作ってきた成果物などをファイリングしていきます。支所のプリンターを使って超久々のカラー印刷!これまで作ってきたナミビアだよりも印刷してみました。こうやってカタチにすると自分がナミビアで1年9ヶ月を過ごしたんだなぁと実感します。その他にも学習指導案や教材などなどを綴じまして完成したのが

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こちら!!ナミビアで理科と算数の指導に必要なものも全てファイリングしてこのボリューム!!...記念に持って帰りたいなぁなんても思ったんですが、魂はナミビアに置いていきます。本当はブログも全部印刷して挟もうかなぁとも思ったんですがそれはやめときました。

 

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これにて全業務が終了!現地スタッフのみんなとも今日でお別れです。きっとまたいつか会える気がするのが不思議!たくさんお世話になりました。

そしていよいよ残すは帰国のみ!!無事に日本に帰るまでが自分の役割です。明日がナミビア最後の一日。ここにきて未だ帰国の実感無し!!ラスト一日楽しみます!!!!

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シリーズものの映画はどんなに面白くなくても『ファイナル』的な言葉がつくとついつい見たくなってしまう

2017年3月16日、天気晴れ。

 

首都生活ももう2日が終了しました。 つまりブンヤを離れて2日が経過。...今頃勉強してるのかな?放課後学習がそろそろ始まるな。...頭の中には子どもたちのことがいつも片隅にあります。...帰りたいなぁと思うことも。本当に夢でも見ていたかのような楽しかったブンヤで過ごした日々。撮り溜めた写真をふと見返すと時たま不思議な感覚に陥ることもあります。確かに自分はブンヤの地にいたんです。教師として活動して、クラス担任までもたせてもらい、一人の「せんせー」としてブンヤで暮らしていたんです。それでもなんだか不思議。まるで誰かの映画でも見ている感じです。楽しかった。何度言っても足りない言葉をまた言いたいと思います。ありがとう!

 

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今日もいろいろやることはやったんですが、昨日のJICAナミビア支所で行われたこれが本当にラストの最終報告の内容をサラーっと紹介したいと思います。現地スタッフのMs.ムンダが企画してくれたこのプレゼン。ゲストには首都ウィントフックがあるコマス州の教育委員会や教育省、ナミビア大学や日本大使館など様々な関係各所の方々が!なので今回のプレゼンは教員向けというよりももっと広い視点で自分の考えや実践を紹介する方向にしようと考えました。

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まずは自己紹介。ナミビアで初めてプレゼンに日本の写真を使いました。この2枚を見比べると我ながら不思議です。あっ、日本で教員やってたんだ!とそちらに驚かされます。今や肌の黒い子どもたちが目の前にいるのが当たり前の感覚。日本に帰ったら...楽しみです。

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自分の任地であり勤務先のブンヤセカンダリースクールからの要請はこの2つでした。 今日はこの内の1番目に関してフォーカスしていきますと。

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そして結論を最初に言う欧米スタイルで。2016年度の自分の受け持った教科、学年の成績をまずは示しました。全員を進級点に到達させられなかったのは事実です。みんな進級させるぞ!と意気込んでいたんですがね。まだまだ自分にも足りないところがあるわけで、これがゴールではありません。やはり教師も日々成長していかなくてはならない!日本だと忘れがちなこの感覚をこれからも忘れずにいたいと思います。

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ちょっと日本と比較してみるのも面白いかなと思い、日本とナミビアの成績評価方法について紹介してみました。学習に対する関心・意欲や態度、思考力、表現力、知識技能などまぁーーー細かく一つ一つの項目に対して評価を行う日本の教育。項目は細かいのに評価に際しては点数ではなく3段階の少々ボンヤリとした規準を用いるのが面白いなぁと。対してナミビアは点数一本!!!!!40点以上進級、39点以下留年!!これほど気持ちのいい規準はありません。点数だけが全てじゃないと言いたいですが、そんなきれいごとは通用しません。点数が全てです!日本とナミビア、それぞれの評価方法にはメリットもデメリットもあり、一概にどちらが良い!とは言い切れません。ですが、現在自分は完全な『ナミビアの教員』です。ナミビアでは点数が絶対なんです。

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じゃあその点数絶対の教育の中で自分に求められることは。答えは一つ。子どもたちに点数を取らせる!これができなければナミビアの教員としては失格です。ではどうすればいいのか。当然ですが子どもたちが点数を取るためには学習内容を理解させ、テストで正解を書かせないといけません。そのために自分はどのように学習指導を行えばいいのか。自分が大事にしてきたキーワードは3つ。『わかりやすく』『楽しい』授業を『英語』で実践してきました。ここからは実践紹介です。サラーっと。

 

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グレード5『人体』の学習です。

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ジェスチャーを使って人体機能を『わかりやすく』覚えていきます。

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実際に7つの人体機能のジェスチャーを披露するとビジターのみなさんにもかなりウケました。言葉と概要とキーパーツを同時に覚えられるジェスチャー。嬉しかったのはビジターの一人の方から「これは『楽しい』にも含まれるね!」と言ってもらえたこと。そう!そうなんですよと。『わかりやすい』と『楽しい』はリンクするんです。

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そしてフラッシュカードで子どもたちの課題である『英語』での理解を促進させます。実際にフラッシュカードを使った授業の様子を動画で見てもらいました。

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学習内容の定着はカードゲームで『楽しく』行います。日本のかるたは改めてすごいツールだなと感じます。

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そして厳しいですが大事なのは結果です。この実践の結果もしっかりと明記。今でも去年この学習指導を行なった子どもたちにジェスチャーを見せるとパッと答えられる子が少なくないのが嬉しいことです。この単元は本当に指導していて楽しくて仕方なかったのを今でも覚えています。思い出の単元です。

 

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グレード6『図形・測定』に関する学習です。

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ここでもジェスチャー大活躍!!理科以上に無機質な言葉が次々と出てくる図形の学習。その冷たい言葉たちに命を吹き込むのがジェスチャーです。頭ではなくカラダで覚える『わかりやすい』手立てになります。

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フラッシュカードにカードゲームも算数はこの単元に関しては非常に有効でした。試験でよく出る図形の名前や角度の種類を『英語』で書かせる問題の対策としても、学んだことを使って『楽しい』を体験する機会としても万能な手立てです。

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そして見せ場はこちら。こんなこともできるんだよと。1平方メートルを実際に作る!!

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1立方メートルを実際に作る!!!量感を育てるという意味もありますが、一番の狙いは算数ってスゲーー!を感じてもらうこと。算数って『楽しい』んだよということを少しでも多くの子どもたちに感じてもらえたかなと思います。

 

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最後はグレード6『四則計算』の学習です。

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『わかりやすい』指導のためにはまずは子どもたちの学習状況を知るところから。これがすごく大事。

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子どもたちのレベルを理解し、そこから子どもたちに適した指導をしていきます。

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子どもたちの学習状況は常にチェック。一人一人に合わせた指導はナミビアでは非常に難しいのが実際ですが、ベストは尽くしたいところです。

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忘れちゃいけないのがホームワークの重要性です。ナミビア、特にブンヤの子どもたちにとって宿題は『楽しい』ものでした。これには当初ビックリさせられました。習ったことを実際に使って問題を解く。この喜びや楽しみは日本の子どもたちにも伝えたいなぁと。

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ステップバイステップは時間はかかります。指導も大変です。ですが、子どもに合わせた学習指導こそ究極の『わかりやすい』につながります。

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そして子どもたちにとっての一番の『楽しみ』。それはテストで点数を取ることです。テストで点数が取れれば自信がつく。するともっと勉強がしたいという意欲が生まれる。もっと頑張れる。頑張った分だけまたテストで結果が出る。この流れに子どもたちを乗っけてあげるためにはやはり日々の学習指導が何より大切。簡単ではないですが、やりがいはハンパないです。

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こちらが結果。他でもない子どもたちの努力があったからこその結果です。わり算と二桁のかけ算に関しては完全なるゼロからのスタートでした。成長真っ盛り、どんどん伸びていく子どもたちの姿を間近で見ることのできる幸せを感じた日々でした。

 

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プレゼン終了の前に体験コーナー!!重役の皆さんを相手に授業です。1から10を日本語で覚えよう!ということでフラッシュカードとジェスチャーを使ってレクチャー。「5」は「GO」、「9」は「q」、「3」は「SUN」という風に数字にジェスチャーをつけていき暗記活動に取り組みました。みんな楽しそうでよかった!!

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ということで結論。『わかりやすい』『楽しい』『英語』の3つを軸に授業をつくりあげるというのが自分のナミビア教育研究の結論です。フラッシュカードやジェスチャーはその一例!

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最後に。子どもたちの笑顔と未来のために授業をつくりましょう!というメッセージで締めくくりました。日本でもこれは同じです。このナミビアはブンヤセカンダリースクールで学ばせてもらったことを今度は日本での教育活動に還元していきたいなと思います。もちろん今度は『日本の教員』として。

 

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これにて全ての業務は終了!本当に自分自身がとっても楽しいプレゼンになりました。黒人さんを目の前にしてもなーーんも緊張しなくなった自分。相変わらずの変な英語でもドーーンとやり切ることができるようになった自分に拍手です。お疲れ様!そしてプレゼンの機会をくれたMs.ムンダさんに感謝です。

さぁ、もうこれで3日後の帰国を残すのみ!最後の帰国準備に取り掛かります!!

いくつもの日々を越えて 辿り着いた今がある【後編】

2017年3月15日、天気晴れ。

 

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ナミビアに来て最初の一ヶ月は首都で過ごしました。同期3人で勉強して、街を散策して、夜は飲んで。懐かしい日々を思い出す同じ宿で一人で迎える朝。いよいよラスト4日!今日からは首都で最後の帰国準備をします。3人で通った事務所までの道を1人で歩くのはなんだかさみしい気もしますが、なんだか気分は卒業生退場!一歩一歩踏みしめるたびに「おつかれさまでした!あと4日ですよ!」的な気持ちになりました。あと4日。最後まで気を引き締めていきたいと思います。

 

さぁ本日はなんとJICAナミビア支所にてこれが本当に本当の最後の最終報告を行いました!現地スタッフの方に依頼されたこの最終報告。しかも今回が初の試み!話を聞いたときはえっ!?と一瞬ひるんでしまいましたが、二言目には「YES!」と言えるまでに成長した自分にビックリ。積極性やチャレンジ精神もこの2年間で培ったものの1つです。ですがいったいどんなプレゼンに期待されているのかというところが不明だったので今朝まで全くの白紙状態。現地スタッフMs.ムンダに話を聞くと...これは今までのプレゼンの再放送じゃダメだなと。しかもなんと外部から6名ものビジターが来るとのこと!...ということで朝から頭フル回転で最終プレゼン作成で大忙しの一日でした。で、すでにプレゼンを終えての感想。やってよかった!!!!やっぱりなんでも挑戦するものです!!!!ありがとうムンダさん。そして今日はこのプレゼンについて書きたいところなんですがー。...まだ【後編】が終わってなかった。なので今日は一週間前に行った職場での最終報告の続きを書きたいと思います。

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自分がナミビア教育の課題として考えている「時間」の少なさ。練習問題を解く時間、チェックする時間、褒める時間とその全てが少ないことが子どもたちの知識技能の定着の弱さや、自信やヤル気を引き出す難しさにつながっています。そこで提案したいのが『フラッシュカード』の活用でした。まずは見てもらう方が早いということで先日のルアカナでの出張授業の様子を同僚たちに見てもらいました。次々と問題を出すことのできるフラッシュカード。それに対する子どもたちの反応。なんだか面白そう!!と思わせたところで実際にフラッシュカードを使って同僚たちを相手に授業を行いました。動物の名前を日本語で覚える活動を通してフラッシュカードとジェスチャーを使った学習の楽しさや有効性に少しでも気付いてもらえたかなと思います。

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フラッシュカードにはこんないいことがありますよーと再確認を。ちなみにこのスライドはブンヤの満天の星空を背景にしています。そういう意味でお気に入りのページ!

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『わかりやすい』と『楽しい』をベースとした授業をつくることで子どもたちのヤル気を引き出し、もっと勉強したいという意欲向上につながります。難しい英語での学習や暗記活動の中で少しでも多くできる!わかる!を体験させてあげることが何よりも大事だなと。

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そこでまずは教師である自分たちが楽しい授業をつくりましょう!!子どものため子どものためと思っているとそれが仕事や業務と化てしまい、辛さや大変さを強く感じるようになってしまいがちです。なのでそこを『自分のため』に変換!自分が楽しい授業は子どもたちにとっても楽しいはずなんです。

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じゃあ教師が楽しい授業ってどんな授業??ということでいろいろ考えて挙げてみました。授業中に笑っていますか!?の質問には同僚たちも苦い表情を。教師が笑うだけで授業はガラッと変わるということも自分が例を見せて説明をしました。いきなり大きく変わるなんてことは難しいのでまずは笑顔からはじめてみよう!!

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そして最後に。やはりビシッと伝えるとこは伝える。楽しい授業の実現のためにはやはり努力が欠かせません。英語が伝わらない。一クラスに50人以上がいる。マルつけに追われる日々。大変なのは百も承知!でも努力なしにはイイ授業はありえません。努力するからこそ伝統ダンスでみている人を感動させられるように、教員である我々も努力するからこそ子どもたちの心揺さぶる授業ができるはず!自分もその道の途中にいます。頑張ろう!!

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そして苦しい時には思い出してほしい!子どもの数が多くて大変。そんな言葉をよく耳にします。ですがつまりそれはその分だけ自分の夢がたくさん増えるということ!警察になりたい。医者になりたい。そして教師になりたい!子どもたちの夢一つ一つが全て教師の夢です。子どもたちは自分たちの未来そのもの。その未来の夢を大事に大事に育てていきましょう!!そのための技は他でもない「授業」です。子どもたちの、そして自分の未来のために。

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ということで職場での最終報告は幕を閉じました。何か同僚たちの心に響けばいいなと思って作った最終プレゼン。終わったあと目がキラキラ輝く同僚が何人かいたのがすごく嬉しかったのを今でも覚えています。そしてそのあとのフェアウェルパーティー!忘れられない思い出ももう一週間も前のことなんだと思うとビックリです。

ということで本日終了。時間が経つのが早いです。

楽しいときはやがて去り行き 今は名残を惜しみながら ともに過ごした喜びを いつまでも いつまでも 忘れずに

2017年3月14日、天気雨のち晴れ。

 

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ナミビアの首都であるウィントフックに帰ってきました。ルンドゥから車に揺られてこれまで何度も通ってきた道を走ってきたわけですが、首都に近づくにつれて...ついさっきまで当たり前だったブンヤでの毎日が夢だったんじゃないか...そんな風に感じるようになりました。本当に夢のような時間を過ごさせてもらったんだなと。では自分の第2のふるさと、ブンヤの村にさよならをした本日をふり返りたいと思います。

 

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旅立つ日っていうのはなんか朝からソワソワして心が落ち着かないもの。本当はもっとゆっくりのんびり最後を噛み締めたいはずなのに、心のどこかで慌てている自分。最後の部屋の点検をして、お世話になった我が家の鍵を閉めました。何にも忘れ物なんてないはずなのに、忘れ物のことが気になるのはそれを言い訳に戻ってこれるかもなんて期待しているからかもしれません。さよなら我が家、ありがとう我が家。

 

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この道を歩くのも今日が最後。街灯は無くまわりにあるのは畑と家のみのこの一本道。目を引くようなものは何も無いはずなのに毎日この道を通るたびブンヤの景色に感動をもらっていました。季節によって変わる表情、自然の中で生きる動物たち、そして東から昇る太陽のキラキラ。全てが絵になる大好きな道でした。これを書いている今はもう思い出すことしかできないのが残念です。ステキな景色をありがとう!さよなら!!

 

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そして最後のあいさつをしに学校へ。とその前に最後の仕事も!大事な子どもたちの成績を提出し、これで自分の仕事も全て完了しました!と言いたいところなんですが、1つだけ宿題を残してしまいました。これはまた後日。そしていよいよさよならの時です。まずは7B。最後の最後に算数を教えることができたのでよかった!賑やかでまぁ時に指導に困ることもあったクラスでしたが、その分楽しい時間を過ごさせてもらいました。君たちならできる!自分たちを信じて腐らずポジティブに頑張ってほしいです。ありがとう!さようなら!!

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最後なのでグレード6の子たちにもお別れを!今年は残念ながら指導することができなかったわけですが、今でも日本語での挨拶をしてくれる彼ら。去年一年間頑張った理科の勉強を今でも覚えてくれている子もいるのが嬉しいです。純粋で一生懸命な彼らと過ごした時間もかけがえのない宝物です!たくさん笑わせてもらいました。ありがとう!さようなら!!

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グレード5!まぁ本当に多い!これぞ60人クラスのパワーを毎日いただきました。日本はこれのおよそ半分ですからね。もう子どもの数では今後一切の文句を言わないと思います。4月、日本での新しいクラスはいったい何人学級なのか。どーんと来い!たくさんの学びをありがとう!さようなら!!

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そして最後は我が7年A組。まさか担任になるとは思っていなかったので、正直ここでリタイアすることが本当に申し訳ないなという気持ちです。最後の3ヶ月、彼らの担任をさせてもらったことでさらなる学びがありました。教師という仕事の楽しさも感じさせてもらい、本当に感謝しかありません。今日で本当にお別れですが、自分のポリシーである『一生担任』は変わりません。もうおそらく二度と会えない子がほとんど。ですが、自分は決して彼らを忘れません。彼らが忘れても忘れません。彼らのこれからがステキで明るく輝くことを常に願っています!!本当に心からありがとう!!いつでもみんなの担任です。さようなら!!

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そしてこれが本当の最後。この2人の存在無しに自分のブンヤ生活はありえませんでした。どんな時も自分の一番の理解者になってくれると共に、温かく見守ってくれたゲンダ夫妻。G級の曲者である自分を受け入れてくれるその寛容さと大らかさは常に偉大でした。今日でお別れですが、2人はもう自分の大切な家族!そう勝手に思っています。またいつか、大きく成長した自分で再会したいと思います。ゲンダさん!ありがとう!!さようなら!!

 

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学校中の子どもたちのサヨナラを背に受けて校門をくぐりました。お別れです。本当にこの学校で教師として働けたこと、幸せでした。左手を挙げると車がウィンカーを点滅させました。こんな時ばっかり一発で捕まってしまうのもまた何か意味があるのかもしれません。これにて本当のさようなら!何度言っても言い足りませんが本当にありがとう!!最高にハッピーな1年9ヶ月でした!!バイバイ!!!!

 

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うん。すごくさみしいです。帰りたい。あんなに早く日本に帰りたいと思っていた時期もあったのに。もうブンヤには戻れない。そう思うとすごーく切なくなります。首都は夜でも煌びやか。日本はもっとギラギラしてるんだろうなぁ。真っ暗で星の明かりと虫の音しかしなかったブンヤの夜を懐かしく思いながら飲むビールが心に沁みるのでした。そして決めたこと。帰国までにやりたい10のコトがあったのなら、帰国後にやりたい10のコトがあってもいいはず!寿司が食べたい、温泉に行きたいなどありきたりなコトも思いつくわけですが、一番最初の①が決まりました。

【やりたいことその①】5年後(2022年)にブンヤに戻ってくる

まだまだ先だろ!!と思ってしまいますが、5年なんてきっとあっという間。ここに書いたからには必ず実現できるはずです。その日までしばしのお別れです。さよならじゃありません。またねです!バイバイブンヤ。カプリモナ5年後!!

「サンクス」に「スペシャル」を付ける意味がわからなかったけど 今ならわかる「スペシャルサンクス」

2017年3日13日、天気くもりのち晴れ。

 

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気が付いたらケータイの時刻は深夜0時を過ぎていました。始まった。ブンヤで過ごす最後の一日が始まった。今まで何百日という時間をここで過ごしてきたわけですが、最後の一日というのはやはり特別です。昨日ルンドゥから帰ってきてからノンストップで最後の大掃除をスタートさせました。タイルを一枚一枚磨く作業はかなり時間がかかり、日をまたいでもまだ終わらず。さらにはコンロまわりのしつこい油汚れとの格闘があり。全て終わったのは午前4時過ぎ。遠くからニワトリの鳴き声が聞こえてきました。これが聞けるのももうあと一日だけなんだなと思いながらもさすがに疲れたので寝過ごさないようにアラームを三回鳴るようセットして1時間の仮眠を。現在午前6時半。ブンヤの長い一日が幕を開けます。

 

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現在14時過ぎ。ルンドゥへ向かう車の中です。ここまでノンストップ!とにかく濃い一日を過ごしています。さぁ、朝7時前に車を捕まえて向かったのはマエンゼレというブンヤから西に15kmちょっとのところにある村です。この村にやって来たのは帰国までにやりたい10のコトを実行するため!ここマエンゼレは新鮮な牛肉が手に入ることで有名な村です。なぜかと言うと毎朝捌きたての牛を販売しているから!ということでやりたいコトその⑦牛の解体見学が帰国直前のこのタイミングで実現しました!!ずっと見たかった牛の屠殺の現場。牛肉が大好きだからこそ、知っておきたいことでした。予定より少し遅くなりしたが8時少し前から作業がスタート。正直これに関してだけで今日はブログが書けるぐらいの驚きと学びの機会をいただきました。少しずつですが感じたことを書いておきたいと思います。

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命をいただく。その意味を深く感じるとともに、命をいただくことは簡単ではない大変なことであることをまずは認識させられました。大きく立派に育った牛を大人4人がかりで大人しくさせるその姿は命と真剣に向き合うように見えました。そしてその瞬間。しっかりと見させてもらいました。これまで当たり前のように美味しい美味しいと言って食べていたものはまぎれもない命であることを今日自分は本当の意味で初めて知ったんだと思います。逆になぜこれを知らずにここまで生きてこれたのか。なんだか不思議な気持ちになりました。

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彼らの淡々とすすめる作業をじっくりと見学させてもらいました。とにかく全てに無駄がないその解体は美しさすら感じさせるものでした。いただいた命を大事に丁寧に扱う彼らの姿。尻尾の先から頭まで余すところなくキレイに捌いていくと最後には皮だけがそこに残りました。言い方は変なのかもしれませんが、本当に美しいんです。自分でもこんな風に感じるとは思いませんでした。

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尾頭付きの魚の刺身を見てもとくに違和感を覚えないのが日本人かなと思います。マグロのカマを見ても立派なカマだ!という感覚なのかなと。ですが、こと牛豚鳥などに関してはスーパーで売っているものしか知らないのが日本人。沖縄で豚の顔が売られているくらいで、鳥や牛の頭がそこにドンと置かれているなんてシチュエーションにはまず遭遇しないと思います。ですが、スーパーで売られているパックの肉たちも、レストランで食べるステーキたちもちゃんとした一つの命だったんです。頭があったんです。動いていたんです。それに感謝をするから『いただきます』。大切な言葉であり大切な感覚。

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そして捌きたての牛の肉を食べさせてもらいました。いただいた命の味。ものすごく美味しかったです。今回の見学を通して食に対する考え方がまた一つ深まりました。この学びをぜひ日本の人々にも伝えたいのですが、伝え方はなかなか難しそうです。だからまずは当たり前のことから。食べものを残さない!来月の今頃は2年ぶりの給食指導をしているはず。食育にも力を入れていきたいなと思いました!

 

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ここでまだ午前中。牛の解体見学のあとはブンヤセカンダリースクールへ。最後の仕上げのお仕事と子どもたちの顔を見に行きました。まずは理科室!理科準備室を限られた時間の中で自分にできる範囲で整理整頓をしましてなんとかそれっぽくなったかなと。自分が作った教材もセットにして置いてみました。ここまでが自分の仕事!理科室のベースを作ったらあとは同僚たちがマネジメントをしていく番です。今日は放課後にほんの少し時間をもらって理数科部会の同僚たちにレクチャーをしました。果たしてこのあと理科準備室がどう活用されていくのか、はたまた活用されないのかは彼ら次第。あとは任せました!

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自分を見かけるとソワソワする子どもたちの姿を見て、なんだか複雑な心境でした。明日この子たちとお別れするんだという事実がまだ理解できていません。しかも、日本と違ってもうずっと会えない可能性の方が高いんです。5年後にまた来るからね!!最初は冗談半分でしたが、今では真剣にまたブンヤに戻ってきたいと考えるようになりました。たっくさんの子どもたちとの思い出が走馬灯のようによみがえり、別れが辛いと本気で思うのでした。

 

そんな子どもたちに最後のプレゼントを渡すべく、これまた最後のルンドゥへの40kmの移動。この道をこの1年9ヶ月でいったい何往復したのかわかりません。が、窓から見える景色にいつも感動していました。今日も当然のように牛の横断で車が停車。これぞカバンゴ!こんな経験ももうこの先無いだろうなぁと思いながら、さすがに疲れていたようで軽く眠りに落ちました。

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日本でも学年末には必ず子どもたちに写真のプレゼントをしていました。ここナミビアではまさかそんなことはできないと思っていたのは遠い昔の話。ルンドゥにあるこの印刷専門のお店に行けばなんだって思い通りに印刷できてしまうのだから驚きです。店員さんに要望を伝えるとイメージ通りのものを仕上げてくれました!そして自分があまりに大量印刷をしたのでオーナーさんと話し合ってくれてお値段を安くしてくれました!!500N$近くもディスカウント!!もうパンドゥウネネです。明日この写真を渡すのが子どもたちとの最後。さみしいですが、子どもたちは喜んでくれるんじゃないかなぁと想像すると楽しみでもあります。さっ、印刷を終えてまたブンヤに戻ります。

 

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とその前に、まぁ偶然というのは必然と表裏一体なんだなと思う出来事が。印刷屋さんで作業をしていると、なんと今年の1月末に栄転で学校を移動した元同僚とバッタリ!!最後にさよならが言えてよかった!!

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と思ったら今度は店を出るとバッタリ!!この警備のおじさん。ただのおじさんじゃないんです。なんとこの彼は自分が初めてルンドゥの街に首都から上がって際、右も左も分からない自分の質問に親切丁寧に答えてくれた彼なんです!!!!もうなんて奇跡なんでしょう!!ルンドゥの街は彼に始まり彼に終わりました。今では現地語で軽い会話が彼とできる、それがものすごく嬉しくてたまりませんでした。ありがとう!!

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そしてルンドゥの街からブンヤへ。いつもの車乗り場へ行けば「ブンヤ!ブンヤ !」と声をかけてくれる彼ら。はじめは車乗り場には良い印象はありませんでしたが、今では出発までの待ち時間さえ居心地のいい空間になりました。金銭面でのトラブルも一度もなく、事故も一度もなく毎週末のブンヤへの帰り道を助けてくれた彼ら。ここから車に乗るのもこれが最後です。ありがとーう!!

 

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そして家に帰って来たのが夕方6時。玄関の入り口のタイル磨きや冷蔵庫のトレーなどの最終清掃を終えてこれでほぼ家のことも片付きました。日本だったら明日出ていくという前夜は徹夜で慌てていましたが今回はバッチリ!これも1つの成長だなと。そして最後の晩餐は鶏肉!午前中に学んだ命のありがたみに感謝して美味しくいただきました。その後カウンターパートのMr.ゲンダさんに家のチェックをしてもらい合格をいただいたらそこから学校へ!!最後の仕事をかるーくしてブンヤの夜道を歩くのでした。

 

こうして長い長い最後の一日が幕を閉じました。本当に全てが最後。でも後悔とかは不思議とありません!この1年9ヶ月思いっきりブンヤ生活を満喫したからか、やり残したことやもっとあれをやっとけばーなんてことが全くないんです。本当に感謝感謝の毎日だったんだなと改めて実感する頃には爆睡していたようです。ブンヤの長い一日、これにて終了です。